海南市で高校生と漆器業者が漆器ナンバープレートを作成

2022年03月17日 22時09分

イベント教育歴史・文化社会

伝統工芸品の紀州漆器で有名な海南市(かいなんし)で、地元の高校生と漆器業者が共同で、漆器の技法・蒔絵(まきえ)を用いたナンバープレートを製作しました。この取組みは、海南市の橋本漆芸(はしもとしつげい)と県立海南高校美術部が行っているものです。

オリジナル漆器ナンバープレートを掲げる井上実希さん(3月17日・県立海南高校)

かつて橋本漆芸で長年従事していた漆器職人の部屋から、誰も見たことがない昭和初期に描かれたとみられる漆器の下絵が見つかり、これを契機に、社員が日常的な漆器の使用を若い人にも知ってもらうにはどうすれば良いかを、海南高校美術部の生徒らと考えたものです。

発見された昭和初期のものとみられる下絵

漆器づくりは、去年(2021年)5月からおよそ1年かけて行われ、美術部の生徒らが大阪のデザイナーのレクチャーを受けながら、見つかった下絵をベースに蒔絵の技法で「紀州犬」や「梅」をデザインしたナンバープレートを作成し、昭和初期の絵柄が若者の手で令和に復刻されました。

デザインを担当した美術部の井上実希(いのうえ・みき)さんは「和歌山県にはご当地ナンバーが無いので、漆器のナンバープレートをきっかけに全国に知ってもらい、いつか本当のご当地ナンバーとして実現したら」と話しています。

橋本漆芸の大橋善弘(おおはし・よしひろ)さんは「生活様式の変化で漆器を日常的に使う機会が減るなか、自分たちの生活に漆器を引き戻したいという思いが、このような形になりました」と話しています。

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