児童虐待死亡事件の検証委員会初会合
2022年03月16日 13時12分
去年(2021年)6月、和歌山市の集合住宅で、当時16歳の少女が母親の再婚相手に虐待されて死亡したほか、母親と4歳の妹が関空連絡橋から落下して死亡し、再婚相手が逮捕・起訴された事件を受け、きょう(16日)外部の有識者による検証委員会の初会合が開かれました。
検証委員会は和歌山県が児童虐待の防止などに関する法律に基づいて設置し、大学教授や弁護士、民生児童委員、医師の、外部有識者による5人の委員で構成されています。
けさ、和歌山市の県民文化会館で開かれた初会合では、委員長に、臨床心理学や児童虐待が専門で、和歌山信愛大学教授の桑原義登(くわはら・よしと)氏を選任しました。
桑原委員長は「関係機関などへのヒアリングを通じて事件の事実関係を明らかにすると共に、問題点や課題を抽出して、提言を含めた報告書を作成する」とあいさつしました。このあと会議は非公開で行われ、およそ2時間で終了しました。
委員会では、虐待を受けた16歳の少女について、中学校が虐待を把握していながら児童相談所に通告しないなど、連携が取れていなかったのではという認識を示しています。
終了後の記者会見で県・子ども未来課の鈴木玲(すずき・あきら)課長は「学校が悪いだけでなく、児童相談所の判断が甘かったかも知れない。虐待が疑われる情報があれば必ずどこかへ通報して欲しいし、それぞれの機関が危機感を持つ仕組みづくりをしなければならない」と話しています。
検証委員会は、今後、月に1回程度、あわせて8回程度開催する予定で、関係先から聞き取りを行って問題点を検証し、委員の提言や再発防止策などを盛り込んだ報告書を、年内をめどにまとめる方針を示しました。なお、再婚相手の裁判の状況によっては、開催頻度が変わる事もあるとしています。