和歌山ろうさい病院に災害医療対応棟が竣工
2022年03月02日 19時03分
和歌山市木ノ本(きのもと)の災害拠点病院・和歌山ろうさい病院に、あらたに「災害対応医療棟」が完成し、きょう(2日)関係者を招いて記念式典が開かれました。
災害対応医療棟は、本館南側の災害医療研修棟に隣接する鉄筋コンクリート製の3階建てで、総工費6億6600万円をかけて新築されました。
和歌山ろうさい病院は、南條輝志男(なんじょう・きしお)院長が2011年の東日本大震災を契機に「大規模災害に強い拠点病院にする」と方針を立て、翌2012年、紀の川北部地区で初の災害拠点病院の指定を受けたのを皮切りに、2015年には屋上ヘリポートを備えた災害医療研修棟を整備しました。しかし、2018年の台風21号による大規模停電でレントゲンやCTなどの医療機器が使えなくなった苦い経験を踏まえて、県と国の補助を得て、強力な自家発電装置を持った災害対応医療棟を新たに建設し、完成したものです。
きょうの記念式典で、南條院長は「研修棟に次ぐ災害医療の2本目の柱として活用し、南海トラフ巨大地震などにも対応できる病院として職員一同が一致団結してまい進する」と抱負を述べました。
また、来賓で和歌山県の仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事は「今後、私が過去に経験した災害を遥かに超える事態も想定されるなか、南條院長の強い思いで対応棟を建設したことは大変素晴らしい」と期待を寄せました。
災害医療対応棟には、すべてのフロアに負傷者受け入れスペースがあり、新型コロナ感染拡大の経験を踏まえて、感染者の隔離スペースを拡大しました。
また、台風での停電を踏まえて出力1000キロボルトアンペアの自家発電装置や、水や食料、マスクなどを保管する防災備蓄倉庫、災害用トイレなども装備しています。