ENEOS和歌山製油所 閉鎖後の検討スタート

2022年02月25日 18時48分

社会経済

石油元売り大手のENEOS(エネオス)の有田市にある和歌山製油所が来年10月で閉鎖される見通しとなったことを受けて、ENEOSはきょう(2/25)、閉鎖後のあり方を考える検討会を開きました。

和歌山市のホテルで開かれた検討会(2022年2月25日・取材はオンライン対応)

ENEOSの和歌山製油所は、その前身を含め有田市で80年にわたって操業してきましたが、人口減少や脱炭素化の流れを受けて、来年10月をめどに製油所を閉鎖し、その後、無害化工事を行うことにしていますが、跡地利用については何も決まっていません。

こうした中、ENEOSが、跡地利用を含め今後について考える検討会を発足させたもので、きょう正午から和歌山市のホテルで開かれた検討会には、ENEOSの担当幹部をはじめ、地元からは、和歌山県商工観光労働部の寺本雅哉(てらもと・まさや)部長と有田市の望月良男(もちづき・よしお)市長、海南市の神出政巳(じんで・まさみ)市長が出席しました。

会の冒頭、ENEOSの佐藤由理(さとう・ゆり)総務部長が挨拶し、「跡地の活用については、これまでも社内でアイデアを出し検討してきた」とした上で、「例えば、バイオマス発電などの電力事業や、摘果したみかんを使ったバイオエタノールの製造などがすでにアイデアとして挙がっていて、今後、社内で事業性の検証を行っていくほか、実証の場として跡地の活用を検討していきたい。一方で、和歌山製油所の敷地は、およそ250万平方メートルと広大なので、他の企業の誘致や協業を検討するため、広く外部に声をかけて一緒に考える場を作っていきたいし、地元ならではの発想やアイデアに基づく活用を検討するため、忌憚のない意見を寄せていただきたい」と話しました。

挨拶するENEOS総務部の佐藤部長

また、この後挨拶した有田市の望月市長は、「有田市はENEOSとともに発展を遂げた町で、閉鎖を知った時は大きな衝撃が走った。地元の自治会では、いまも一日も長い操業を求めて嘆願の署名活動が行われており、心の中には大きな不安がある。これから未来に向けて、ENEOSが、有田市とともにチャレンジしたいと思ってもらえるような地域であり続けたいし、この会が結果に結びつくよう私たちもしっかり努力していきたい」と話しました。

挨拶する有田市の望月市長

この検討会には、資源エネルギー庁や近畿経済産業局からもオンラインで幹部が出席し、「経済産業省は、エネルギー政策だけでなく、中小企業対策も所管しているので、ENEOSには、地元産業の発展につながる具体的な提案をしてもらいたい。この会が未来志向の結論を導く検討の場となるよう皆さんと協力して取り組んでいきたい」と挨拶しました。

地元から出席した県商工観光労働部の寺本部長
挨拶する神出市長

この後、会議は、非公開で行われました。

検討会では、今後、3ヶ月に一度のペースで会合を開き、跡地の無害化作業が終了する予定の3年後の2025年3月をめどに利用計画をまとめることにしています。

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