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和歌山城の桜再生へ きょうから作業スタート

2022年02月22日 19時16分

歴史・文化社会

和歌山城の桜を再生させる事業がきょう(2/22)から具体的に始まり、和歌山県内の造園業者が、木を治療するための剪定や危険な樹木の伐採などの作業を行いました。

枝の剪定を行う協会のメンバー(2022年2月22日・和歌山公園で)

これは、来年で創立50周年を迎える和歌山県造園建設業協会が、今年と来年の2ヶ年の事業として、和歌山城のある公園を管理する和歌山市と協定を結んで実施したもので、きょうとあすの2日間、和歌山城内の大手門から岡口門までの間にあるおよそ240本の桜を対象に作業を行います。

樹木保護材を塗る協会のメンバー

初日のきょう、和歌山城の表坂前では、作業にあたるおよそ30人の造園職人が、5つの剪定班と、伐採班、運搬班のあわせて7班に分かれて整列すると、県造園建設業協会の吉本忠生(よしもと・ただお)会長が挨拶し、「60人近くの会員から参加希望をもらいましたが、コロナ禍の折、参加人数を半分に絞りました。事故のないようお願いします」と呼びかけました。

挨拶する吉本会長

このあと、県造園建設業協会の顧問で日本樹木医会和歌山県支部の山本聰洋(やまもと・としひろ)支部長が、剪定や伐採のポイントを説明し、実際に危険な枝を切り落とし、必要な箇所に殺菌剤の入った樹木保護材を塗って見せていました。

作業のポイントを説明する山本支部長

県造園建設業協会の吉本会長は、「少しはさみを入れてみましたが、傷んでいる木が結構多いので、なるべく樹勢を回復させて長く桜を楽しめるようにしたい。公園の木にしろ、街路樹にしろ、何も手入れをせずに、そのままの状態を維持するのは不可能なので、今回の事業を通じて、市民の皆さんには、緑の大切さを再認識してもらい、協力してもらえるとありがたい」と話しました。

クレーンで落下を防止しながら枝を切る協会のメンバー

また、日本樹木医会和歌山県支部の山本支部長は、「今回の剪定で、太陽光が当たる工夫はできるが、根からの養分補給を促進するためには、土壌の改良が必要になる」と指摘した上で、「桜は、地面から50センチくらいのところに根が集中しているので、踏まれるのが一番つらい。土が踏み固められると、水が通らなくなり桜は呼吸ができなくなる。春は、桜の下で楽しんでもらっていいが、それ以外の時期、特に夏場は日照りで土が硬くなるので、踏まないようにして極力、休ませてあげてほしい」と話しました。

協会のメンバーは、あすも作業を行った後、来年の夏まで、半年に一度のペースで経過を観測し、必要な措置を講じることにしています。

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