贈収賄容疑で海南市職員逮捕

2022年02月03日 17時40分

事件・事故政治社会

海南市発注の設計工事を、知り合いの事務所に受注させる便宜を図った見返りに工事の下請けに入り、現金を受け取ったとして、和歌山県警察本部・捜査二課などは、きょう(3日)海南市の職員を収賄の疑いで、建築設計事務所の社長を贈賄の疑いで、それぞれ逮捕しました。

逮捕されたのは、収賄の疑いが、有田市(ありだし)下中島の海南市職員、木下知海(きのした・ともうみ)容疑者46歳、贈賄の疑いが、和歌山市西高松の田淵建築設計事務所社長、木田吉宣(きだ・よしのぶ)容疑者48歳です。

県警によりますと、木下容疑者は、2016年から海南市都市整備課の建築係長を務めていて、2019年の5月頃から12月中旬頃にかけて、海南市民会館の解体工事や、小中学校にあるトイレの改修工事など、4つの設計工事で、木田容疑者の会社が受注できるよう工事を分割するなどして便宜を図る見返りに、木田容疑者の下請けに入る約束をして、実際に委託業務を行い、他人名義の口座に265万円の振り込みを受けた疑いがもたれています。

調べに対し、木下容疑者は「間違いありません」と容疑を認めている一方、木田容疑者は「賄賂とは思っていません」と容疑を否認しているということです。

警察によりますと、木下容疑者は、2009年に海南市に採用されるまで、およそ4年間、建築士として、木田容疑者の会社に勤めていました。また、木下容疑者は、海南市に採用されて以降、一貫して都市整備課・建築係の所属で、一級建築士の資格を持っていて、設計工事の発注にあたっては、ほかの部署からも相談を受け、発注の方法を支持する立場にあったということです。

工事の発注方式には、入札や随意契約がありますが、こうした場合は、他者との競合になるため、工事金額の小さく、担当部署の裁量で契約できる請書(うけしょ)で工事を進められるよう、木下容疑者が、設計工事を分割して、木田容疑者の会社に発注するよう指示していたとみられています。

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