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梧陵語り部ジュニアに認定 小学生が学習発表会

2022年01月26日 19時41分

イベント教育歴史・文化災害・防災社会

江戸時代末期の安政の南海地震で、紀州広村、現在の広川町が津波に襲われた際、稲わらに火をつけ村人を高台に誘導したとされる偉人、濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)について半年以上にわたって地元の語り部グループから学んできた小学生がこのほど(1/22)、その成果を発表し、梧陵語り部ジュニアに認定されました。

認定証授与の様子

この取り組みは、濱口梧陵が、おととし2020年に生誕200年を迎えたのを記念して、次の世代を担う子どもたちに梧陵の功績を伝えていこうと、広川町教育委員会が、2018年度から主催しているもので、広川町の語り部サークルのメンバーが梧陵語り部ジュニアクラブを立ち上げ、子どもたちの指導にあたってきました。

広川町の公民館で開かれた学習発表会では、語り部ジュニアの講座に参加した地元の広小学校と南広小学校の5年生と6年生のあわせて15人のうち、12人が出席し、去年6月から学んできた「稲むらの火」や、梧陵が私財を投じて作った広村堤防、勝海舟や福沢諭吉らの偉人と梧陵との交友関係や江戸時代に流行した感染症のコレラに対し、専門医を育てた梧陵の功績などを発表しました。

発表の様子

発表会の後、ジュニア語り部の認定証の授与式が行われ、小学5年生には、初級の認定証が、小学6年生には、認定証がそれぞれ授与されました。

参加した児童は、「堤防は、津波から村を守るためのものと思っていたけど、梧陵さんは、仕事を作り、村人が梧陵さんのお金に依存しないようにしていたのがすごいと思った」「楽しかったし、わかりやすかった。南海トラフの発生に備えて津波三原則を守りたい」「今回の発表を通じて、生まれたばかりの頃、住んでいた新宮市で発生した紀伊半島大水害の話を両親から聞く機会が持ててよかった」「梧陵さんのことを詳しくなれてうれしい。いま梧陵さんがいれば、広川町はもっとすごい町になると思う。次も受講したい」などと話していました。

認定証を授与された児童

認定証授与のあと、指導の中心を担ってきた、梧陵語り部ジュニアクラブ担任の佐々木博子(ささき・ひろこ)さんは、「これまで勉強してきたことを、家族や友だちに少しでも広めてもらえればうれしいし、皆さんが、いつまで広川町に住んでいるかはわかりませんが、大人になって広川町を離れても広川町には濱口梧陵というすごい人がいたことや、いつ地震が起きるかわからないことを伝えてほしい」と挨拶しました。

挨拶する佐々木さん

梧陵語り部ジュニアクラブを運営する「広川町日本遺産のガイドの会」会長の熊野亨(くまの・とおる)さんは、「今回は、梧陵さんの人生や稲むらの火、感染症や広川町の津波防災など9つの発表がありましたが、自分が発表したものだけでなく、友だちが発表したものも、知識として、みんなの頭に入ったと思うので、よかったです」と話していました。

ガイドの会代表として挨拶する熊野さん

小学生の梧陵語り部を育成するこの取り組みは、来年度も予定されています。

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