華岡青洲の検定会&学習会開催 語り部養成へ
2022年01月13日 19時29分
江戸時代に世界で初めて全身麻酔による乳がんの摘出手術に成功し、多くの医師を育てた紀の川市の偉人、華岡青洲(はなおか・せいしゅう)の検定会が、学習会とともに実施されることになりました。
これは、紀の川市西野山の道の駅「青洲の里」に事務局があり、華岡青洲の業績を顕彰しようと活動している一般財団法人・青洲の里が初めて実施するものです。
華岡青洲は、麻酔薬を完成させるための人体実験を志願した母の死や、妻の失明を乗り越え、自らの体をも使い、20年の歳月を経て麻酔薬「通仙散(つうせんさん)」を完成させ、この麻酔薬を使って1804年、世界で初めて乳がんの摘出手術を成功させました。後進の指導にもあたり、多くの門弟を排出したほか、農作物を作るために農民が必要としていた、ため池を、私費を投じて造るなど地域のために力を尽くしました。
こうした功績を広く知ってもらうとともに、後世に伝えていこうと、華岡青洲の検定と、それに伴う学習会が企画されました。
来月、2月に検定会が行われますが、これを前に、あさって(1月)15日から毎週土曜日に、4回にわたって午前中、青洲の学習会が開かれます。
学習会の参加対象は、青洲の信念に共感し多くの人に青洲を伝えたいと考える志民、志を持った人たちで、検定と学習会を企画した道の駅「青洲の里」の駅長、神徳政幸(じんとく・まさゆき)さんは、「できるだけ4回とも受講してほしいが、難しければ、事務局で学習会の様子を撮影し、動画投稿サイトなどで見られるようにするので、活用してほしい」と話しています。
また、当初、30人程度を見込んでいた参加希望者は、すでに50人に達しているため、より広い会場に変更することにしていて、神徳駅長は、「参加申し込みの締め切りを1月12日までとしていましたが、会場に余裕があるので、希望があれば、その後も随時、受け付けたい」と話しています。
学習会では、地元の元教諭らで作成した「華岡青洲検定テキスト」が使われることになっていて、参加に際し、1冊2500円のテキストの購入が必要です。また、来月(2月)12日に行われる検定では、このテキストを持ち込んで参照することができ、獲得した点数に応じて、1級から3級までに分けられ、60点以上であれば、門人の称号が与えられます。検定会に参加できるのは、学習会で学んだ人たちで、検定会の参加費は、一般が2000円、小中高校生は1000円となっています。
青洲の学習会と検定会は、いずれも紀の川市名手市場の那賀総合センターで開かれます。
検定会実施後の展望について、神徳駅長は、「華岡青洲の偉業を後世に伝えるため、検定を受けた人たちを対象に、語り部の養成講座を開催したい」と意気込んでいます。
華岡青洲の学習会と検定会の問い合わせ先は、道の駅「青洲の里」電話0736・75・6008(繰り返し)です。