江戸時代の名工3代目重国(しげくに)の刀 和歌山市へ寄附
2021年12月23日 19時27分
江戸時代に活躍した紀州徳川家お抱えの刀鍛冶で、「南紀重国(なんきしげくに)」と呼ばれた刀工の3代目 重国が作った刀が和歌山市立博物館にに寄贈されることとなり、きょう(23日)、和歌山市役所で寄贈品の受入式が行われました。
受入式には、尾花正啓(おばな・まさひろ)市長と、刀の所有者の髙木好枝(たかぎ・よしえ)さんら5人が出席しました。髙木さんから尾花市長に目録を手渡すと、尾花市長は感謝状を贈り、「市の歴史と文化をより一層大事にしていこうとしている中で、非常に貴重なものを寄贈していただいた」とお礼を述べました。髙木さんは、戦後、接収対象としてこの刀を進駐軍に差し出したところ、歴史的価値のあるものだからと返してくれたエピソードを紹介し、「蔵でずっと保管していたので、和歌山市に寄贈できてよかった。」と笑顔で話しました。重国は、紀州徳川家のお抱え刀剣鍛冶で11代にわたり刀を作っていています。特に江戸時代前期の名工として有名ですが、寄贈された刀は、銘や刀の作風から、3代目 重国の作品だとわかりました。この刀は、来年(令和4年)3月12日から5月15日に和歌山市博物館で開催する「新収蔵品展」で展示される予定です。