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橋本市のでっちようかん復活! 真竹の皮確保で

2021年12月16日 23時48分

歴史・文化社会経済

橋本市の老舗和菓子屋で平成の終わりから途絶えていた新春の伝統和菓子、でっち羊羹が復活し、きょう(12/16)から製造販売が始まりました。

でっち羊羹は、商家(しょうか)に丁稚奉公している少年たちが、年末に里帰りをする際、ふるさとへの手土産に商家の主人が持たせた、とか、値段が安いので丁稚でも買えたなど、発生をめぐっていくつかの説がある商業文化を伝える羊羹です。

この羊羹は、滋賀県や三重県伊賀上野市が特に有名で、和歌山県内では、紀ノ川上流の商業都市として発展してきた橋本市に唯一伝わる和菓子文化ですが、近年は地元商業活動の変化、店主の高齢化と後継者難、でっち羊羹に欠かせない真竹(まだけ)の皮が環境の変化で手に入りにくくなるなど、伝統文化の行方が危ぶまれています。

真竹に包まれたでっち羊羹

橋本のまちを開いた応其上人(おうごしょうにん)ゆかりの応其寺の門前にある中西菓子舗は、ピーク時には年末年始に1000本以上のでっち羊羹を売りましたが、店主の中西仁郎(なかにし・じろう)さんが高齢になり、平成の終わりには、閉店の危機に直面し、でっち羊羹の製造もやめていました。

そうした中、中西さんの次女、孝枝(たかえ)さんが大正6年から100年以上続く店の暖簾を降ろすわけにはいかないと3代目を継承し、令和元年の夏から、父親の助言を得ながら菓子作りに挑戦しています。

でっち羊羹を復活させた孝枝さん

そして、課題になっていた羊羹を包む真竹の皮の入手にめどが立ったことから、今年の年末から本格的に製造販売を始めることになったものです。

橋本地方のでっち羊羹は、あんこと小麦粉と澱粉(でんぷん)を練って竹の皮に包んで蒸す素朴なもので、中西菓子舗の仕事場では、朝早くから羊羹を蒸す湯気が上がっています。

中西菓子舗のでっち羊羹は、大中小の3種類で、大は1050円、中は550円、小は350円です。

でっち羊羹作りは1月中旬まで続きますが、通常の営業は木曜から土曜日まで、年末は毎日営業するということです。営業時間は午前9時から午後3時までで、中西さんは「事前に電話で予約をしてもらえればうれしい」と話しています。

中西菓子舗の電話は、橋本市 0736・32・0440(繰り返し)です。

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