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「パワハラ・いじめで娘自死」 両親が提訴

2021年12月10日 20時55分

社会

職場のパワハラやいじめを苦に、娘が自ら命を絶ったとして、和歌山市の両親が、娘の勤めていた社会福祉法人などを相手取り、およそ6600万円の損害賠償を求めて和歌山地方裁判所に提訴し、きょう(12/10)開かれた初めての弁論の後、記者会見して、「やっとスタート地点に立てた」と強い思いを語りました。

記者会見にのぞむ亡くなった女性の両親

訴えを起こしたのは、和歌山市に住む50代の夫婦で、訴状などによりますと、この夫婦の娘で当時27歳だった紀の川市在住の女性は、2017年4月から勤務していた橋本市にある障害者向けのグループホームで上司からパワハラを、同僚からいじめをそれぞれ受けるようになり、1年後の2018年4月頃から抱えていた精神疾患を悪化させ、その半年後に自宅で自ら命を絶ちました。

両親は、娘が命を絶ったのは、グループホームでのパワハラやいじめが原因だとして、グループホームを運営する橋本市の社会福祉法人「筍憩会(しゅんけいかい)」や亡くなった女性の上司や同僚らを相手取り、慰謝料などあわせて6600万円余りの損害賠償を求めています。

きょう開かれた初弁論の後、両親が、弁護士とともに記者会見を開き、「娘が亡くなった後、弁護士さんと出会うまで途方に暮れていたが、長かった準備期間を経てようやくスタートラインに立つことができた。娘の死後、見つかったメモ帳に書き残されていた娘の思いを、上司と同僚に伝えたかったが、会ってもらえず、提訴に至った経緯があり、ゆっくりでもいいので、相手に私たちの思いが伝わるような裁判にしたい」と語りました。

亡くなった娘のメモを確認する両親

両親の訴えに対し、「筍憩会(しゅんけいかい)」などの訴えられた側は、裁判所に提出した答弁書の中で、そろって請求を棄却するよう求め、全面的に争う姿勢を示しています。

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