東京パラ銀メダリスト来和 児童が車いすバスケ体験

2021年12月07日 20時00分

イベントスポーツ教育社会

車いすバスケットボールの日本代表として東京2020パラリンピックで銀メダルを獲得した岐阜県出身の秋田啓(あきた・けい)選手がきょう(12/7)、和歌山市の小学校を訪れ、子どもたちを前に講演し、児童は、車いすバスケットボールを体験しました。

競技用の車いすで走る小学生(2021年12月7日・和歌山市立中之島小学校体育館で)

これは、全国の小中学校などを巡り交流会を行っている秋田選手が所属するあいおいニッセイ同和損保と、和歌山市が今年(2021年)1月、包括連携協定を結んだことから、損保会社が和歌山市に提案し、「パラスポーツ体験教室」として実現したものです。

きょう午前、和歌山市立中之島小学校の体育館で開かれたこのイベントには、小学5年生と6年生あわせておよそ80人が参加し、秋田選手が、18歳のとき、バイクの事故で車いす生活になり、軽い気持ちで始めた車いすバスケットボールで23歳以下の日本代表を務めたことをきっかけに年齢制限のない日本代表を目指すようになったことなどを話しました。

左足に義足を着ける秋田選手は、歩いて入場

また、児童から「好きな言葉は何ですか」と聞かれた秋田選手は、「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も」という言葉を挙げた上で、「車いすバスケを始めた時は、銀メダルの獲得を想像して踏み出した一歩ではなかったが、その一歩があったからこそ、ここまでつながった」と述べ、「いろんなことにチャレンジしてほしい」とエールを贈りました。

このあと、児童が、グループに分かれて車いすバスケットボールを体験し、秋田選手から競技用の車いすの使い方を教えてもらった後、およそ10人の子どもたちが鬼となり、逃げ回る秋田選手を捕まえようと、鬼ごっこに挑みましたが、うまく車いすを動かせず、最後まで捉えることができませんでした。シュート練習でも、ボールがなかなかリングに届かず、悪戦苦闘していましたが、時折、シュートが決まると、歓声を上げて喜んでいました。

10人の”鬼”を相手に、ドリブルしながらタッチをかわす秋田選手

中之島小学校5年の池田つむぎさん11歳は、「最初は、車いすの操作が難しかったけど、だんだん慣れてきて楽しかった。一度だけシュートが入ったのでうれしかった。秋田選手の動きは早くすごいし、テレビで観ていた人を間近に見てとても背が高いなあと思いました」と話していました。

また、中之島小学校の太田謙二(おおた・けんじ)校長は、今回の取り組みについて、「事故で車いす生活になりながらもスポーツの楽しさを教えてくれる秋田選手を見て、子どもたちは、健常者も障害者も、みんなスポーツを楽しめることを肌で感じていたのではないかと思います」と話していました。

子どもたちに車いすバスケットボールを教えた秋田選手は、「車いすバスケが楽しいことを知ってもらいたいというのが私の一番の目標。若い世代に車いすバスケを知ってもらうことで、もし何かあったときに、選択肢の一つになるだけでもいいし、実際に体験して楽しければ、家に帰って家族に話してくれて車いすバスケの魅力を広げることができる」と話しました。

きょうのパラスポーツ体験教室では、児童が、車いすバスケとともに、重度の障害者が出場する「ボッチャ」も体験していました。

児童はボッチャも体験

また、秋田選手は、きょうの体験教室に東京パラリンピックで獲得した銀メダルを持参し、子どもたちに披露していました。

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