【新型コロナ】第3波から第4波の感染者の後遺症は半数以上に・3か月以上継続も

2021年11月25日 18時49分

福祉・医療

和歌山県内で新型コロナウイルスの感染第3波から第4波の間に感染して入院した人のうち、およそ半数に味覚障害や倦怠感(けんたいかん)などの後遺症があり、多くは1か月以上、長い人では3か月以上も症状が続くケースがみられたことが、和歌山県の調べで判りました。

記者発表にのぞむ野尻技監(11月25日・和歌山県庁)

県では、去年(2020年)9月以降に入院し、ことし(2021年)6月末現在で退院後2週間以上経過した県内でカウントされた2238人に、後遺症に関するアンケートを行い、62・9%にあたる1407人から回答を得ました。

この中で、退院後も症状が残っている人は、男性が346人・女性が426人のあわせて772人で、女性の方が多くなりました。

症状は男女とも倦怠感や嗅覚(きゅうかく)・味覚の障害が多くなったほか、男性は呼吸困難や集中力の低下、女性は頭痛や食欲不振などが多く、とくに脱毛は女性が男性のおよそ2倍となりました。

年代別では10代や20代は後遺症は少ない一方、30代から上の世代になるほど多くなり、40代は嗅覚・味覚の障害、頭痛、呼吸困難が最も多く、50代から上は倦怠感が最も多くなりました。

退院後の後遺症の継続期間は「1か月以上」がおよそ半数にのぼり「3か月以上」継続している人も16%にあたる125人いました。

退院後、体調が回復しているかどうかについては、20%あまりが「不調」「少し不調」と答えています。

さらに、入院中肺炎を発症し、酸素投与や人工呼吸器の措置を受けた重症者26人は、退院後も倦怠感や呼吸困難感、胸の痛み、脱毛などの後遺症が重症者以外より多くなりました。

県・福祉保健部の野尻孝子(のじり・たかこ)技監は「調査時はワクチン接種が進んでおらず、接種との因果関係は次の第5波の調査結果を待たないと判らないが、感染者の多くに後遺症が1か月以上続き、若い人にもみられることから、感染予防の一層の啓発が必要で、ワクチン接種が推奨される。今後も感染源の探求や接触者の検査を行うので、理解と協力をお願いする」と話しています。

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