JR紀勢線のサイクルトレイン(紀伊田辺・新宮間)が好評で通年実施に

2021年11月24日 15時00分

交通社会

JR西日本和歌山支社が、紀南地方の紀勢線でことし(2021年)9月から試験的に運行している、自転車を乗せて乗車出来る「サイクルトレイン」が、利用者の好評を受け、来月(12月)以降も継続して運行されることになりました。

サイクルトレインの継続をPRする松田副支社長(11月24日・和歌山県庁)

JR西日本和歌山支社は、紀南地方の紀勢線の利用促進の一環として、ことし9月から今月(11月)までの3か月間、紀勢線の紀伊田辺(きいたなべ)駅と新宮(しんぐう)駅の間で、平日は午前9時から午後5時まで、土日と祝日は一日を通して、自転車を乗せて乗り降り出来る普通列車をサイクルトレインとして運行する実証実験を行ってきました。

和歌山支社が行ったアンケートなどによりますと、9月1日から今月15日までに1004人が利用し、先月(10月)9日には1日で最大の59人が利用しました。半数以上にあたる55・9%が県内在住者、次いで22・6%が大阪府在住者となり、ほとんどの人がサイクリング目的でした。

利用者からは「40年ぶりに電車に乗った。このような企画がないと電車に乗ることがないので、是非継続して欲しい」とか「駅から宿泊先までの移動が楽になった」といった歓迎の声が多く寄せられたということです。一方で「乗車位置がわかりにくいので表示して欲しい」「ホームの地下通路から地上への段差を解消して」といった声もありました。

この結果を受け和歌山支社では、来月以降、来年(2022年)12月末までサイクルトレインの運行を継続することを決め、実証実験中は午後5時までだった平日の運行時間を、土日や祝日と同様に終電まで拡大することも決めました。

JR西日本和歌山支社の松田彰久(まつだ・あきひさ)副支社長は「新型コロナウイルスの影響で、昨年度(2020年度)1日平均608人にまで落ち込んだ白浜・新宮間の利用者数が、サイクルトレインの効果で2%増えている。乗車位置の表示や駅の段差へのスロープ設置を速やかに行うとともに、サイクリング観光に注力する県や沿線の自治体とさらに連携して利用促進に努めたい」と話しています。

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