和歌山の文化の向上と発展に特に顕著な業績をあげた人を表彰する、今年度（２０２１年度）の和歌山県文化表彰の表彰式が、きょう（１６日）行われ、受賞者に仁坂吉伸(にさか・よしのぶ)知事から賞状とメダルが贈られました。

５８回目を迎える今年度の文化表彰では、文化賞に有田川町(ありだがわちょう)出身で東京大学名誉教授の久保田弘敏(くぼた・ひろとし)さん８０歳が選ばれました。

久保田さんは１９４１年（昭和１６年）旧・藤並村(ふじなみむら)、現在の有田川町(ありだがわちょう)の出身で、その後、栃木県に転居し、東京大学の工学部航空学科と大学院航空学専攻博士課程を経て工学博士となり、科学技術庁の航空宇宙技術研究所で宇宙飛行体の空気力学と熱空気力学を研究しました。

１９７４年（昭和４９年）にはアメリカ航空宇宙局・ＮＡＳＡ(ナサ)に客員研究員として招かれ、帰国後は日本航空宇宙学会会長などを歴任し、ＪＡＸＡ(ジャクサ)・宇宙航空研究開発機構の発足に寄与するなど、日本のロケットや人工衛星の研究開発分野の発展に多大な功績を残しました。

受賞者を代表してあいさつした久保田さんは「受賞に恥じないような活動をこれからも続けるようにというメッセージと受け止めています。全ての人に感謝しています」と喜びを語りました。

このほか、県・文化功労賞には、和歌山市出身の声楽家・多田佳世子(ただ・かよこ)さん８２歳と、紀の川市出身の国文学者・半田美永(はんだ・よしなが)さん７４歳が、県・文化奨励賞には、有田市(ありだし)出身の現代美術家・伊藤彩(いとう・あや)さん３４歳と、和歌山市出身の能楽師・松井俊介(まつい・しゅんすけ)さん４３歳、和歌山市出身のデザインエンジニア・吉本英樹(よしもと・ひでき)さん３６歳が選ばれ、表彰されました。