近大生物理工で防災訓練 学生消防団が避難誘導
2021年11月11日 20時01分
新型コロナウイルスの感染拡大で中断していた対面授業が今週から本格的に再開された紀の川市にある近畿大学生物理工学部できょう(11/11)、直下型の地震を想定した訓練が行われ、学生でつくる消防団のメンバーが、昼休憩中の学生や教職員らの避難誘導に取り組みました。
近畿大学生物理工学部では、おととしから年に1回のペースで防災訓練を行っていますが、今回は、教職員や学生消防団だけでなく、初めてすべての学生を対象に実施されました。
訓練はきょう正午過ぎに、中央構造線断層帯による直下型の地震が発生して震度6の揺れが10秒間、続き、紀の川市西三谷の近畿大学生物理工学部のキャンパスにある建物内から脱出できない教職員が、屋上に避難しているという想定で行われました。
訓練では、学生や大学の教職員らおよそ500人が、学生消防団のメンバーの誘導に従って中庭に避難しました。
避難誘導訓練の様子を見ていた岩出警察署の榎本健二(えのもと・けんじ)警備課長は、「自分の命は自分で守る、ということを覚えて帰ってもらいたい。実際の災害の場面では、行政の助けは限定的なので、自宅に帰ったら、自治体のハザードマップを見て、どうやって非難するかを考えてほしい」と呼びかけました。
また、訓練には、那賀消防組合の中消防署と岩出警察署から、消防士や警察官あわせておよそ20人が参加し、屋上に避難した大学の職員を、はしご車やヘリコプターで救助する訓練も行われました。
訓練で避難誘導を担当した学生消防団のリーダーを務める近畿大学大学院生物理工学研究科2年の阪東賢(ばんどう・さとし)さん23歳は、「訓練なので、皆さん落ち着いていましたが、実際の災害でも落ち着いてもらえるよう、声掛けなどに注意したい。消防団と言えども素人なので、こうした訓練の機会を通して、本職の人の動きを見てまねできるようにしたい」と話していました。
また、近大生物理工学部の梶山慎一郎(かじやま・しんいちろう)学部長は、「去年はコロナ禍で大きな訓練ができませんでしたが、今回は、昼休憩に実施して初めてこれだけ多くの学生が参加できました。災害がいつやって来るかわからない中で、何か起きた時にすぐに対応できるよう繰り返し実施していきたい」と述べました。