和歌山県文化表彰発表・文化賞に久保田弘敏さん
2021年11月10日 16時20分
和歌山の文化の向上と発展に特に顕著な業績をあげた人を表彰する、今年度(2021年度)の和歌山県文化表彰が、きょう(10日)発表され、文化賞に有田川町(ありだがわちょう)出身で東京大学名誉教授の久保田弘敏(くぼた・ひろとし)さん80歳が選ばれました。
久保田さんは1941年(昭和16年)旧・藤並村(ふじなみむら)、現在の有田川町(ありだがわちょう)の出身で、その後、栃木県に転居し、東京大学の工学部航空学科と大学院航空学専攻博士課程を経て工学博士となり、科学技術庁の航空宇宙技術研究所で宇宙飛行体の空気力学と熱空気力学を研究しました。
1974年(昭和49年)にはアメリカ航空宇宙局・NASA(ナサ)に客員研究員として招かれ、帰国後は日本航空宇宙学会会長などを歴任し、JAXA(ジャクサ)・宇宙航空研究開発機構の発足に寄与するなど、日本のロケットや人工衛星の研究開発分野の発展に多大な功績を残しました。
久保田さんは「誠に光栄です。故郷和歌山の風土や多くの人々に育んでいただいたことは、いつも心の拠り所でした。私は専門の航空宇宙工学の分野で音よりも早い飛行機、宇宙輸送システム、小型人工衛星などの研究をしてきました。今後も研究や次世代人材育成を通じて、故郷わかやまに貢献できれば」とコメントしました。
また県・文化功労賞には、和歌山市出身の声楽家・多田佳世子(ただ・かよこ)さん82歳と、紀の川市出身の国文学者・半田美永(はんだ・よしなが)さん74歳が、
県・文化奨励賞(しょうれいしょう)には、有田市(ありだし)出身の現代美術家・伊藤彩(いとう・あや)さん34歳と、和歌山市出身の能楽師(のうがくし)・松井俊介(まつい・しゅんすけ)さん43歳、和歌山市出身のデザインエンジニア・吉本英樹(よしもと・ひでき)さん36歳が選ばれました。
県・文化表彰の表彰式は、今月(11月)16日火曜日の午後2時から、和歌山県庁の正庁(せいちょう)で行われます。