和歌山地家裁に初の女性所長、谷口園恵氏就任

2021年11月08日 19時41分

社会

和歌山地方裁判所と家庭裁判所の新しい所長に、女性として初めて就任した谷口園恵(たにぐち・そのえ)所長がきょう(11/8)、着任の記者会見にのぞみ、「司法に寄せられてきた期待と信頼を維持し、高めていけるよう努めたい」と抱負を語りました。

和歌山地家裁所長に就任した谷口氏(2021年11月8日・和歌山地方裁判所で)【代表撮影】

谷口所長は、東京都出身の58歳で、一橋大学法学部を卒業後、1989年に、東京地方裁判所の判事補として任官し、最高裁判所や法務省の民事局で勤務したあと、東京地裁や東京高等裁判所の判事を歴任し、最高裁の調査官時代には、民法の改正作業にも関わるなど、主に民事裁判に関わってきました。

きょう午前、開かれた記者会見で、谷口所長は、「裁判官として、争われている権利関係について、強制力を伴う形で判断を示すということの責任の重みを痛感するとともに、何を根拠に、どのように考えてその判断に至ったのかということが、当事者や国民の皆さんにきちんと伝わり、理解されるよう意を尽くさなければならないと肝に銘じてきた」と述べました。

その上で、谷口所長は、「一つ一つの裁判について、裁判官をはじめとする裁判所の職員が一丸となり、利用者に対して、根拠がきちんと伝わり、わかりやすく、納得が得られやすい形で事件処理が行われるよう、さまざまな環境整備に努めるとともに、司法の現場で行われている取り組みの実情が、わかりやすく外部に伝わるよう努め、我が国の司法に寄せられてきた期待と信頼を維持し、高めることに力を尽くしてまいりたい」と抱負を語りました。

また、和歌山県の印象について、谷口所長は、「赴任するのは初めてですが、これまでにも神戸や京都での勤務経験があり、白浜や那智勝浦、高野山などの観光地には行ったことがあります。着任してまだ1ヶ月ですが、毎朝、紀伊の山並みの美しい稜線を眺めながら目を覚まし、すがすがしい気持ちで一日を始められることに喜びを感じています。慣れない場所で右往左往していますが、街の人に道を尋ねると、自分のことは二の次にして案内してくれる人も多く、これからの生活を楽しみにしています」と話しました。

谷口所長は、先月(10月)8日、和歌山地方裁判所と家庭裁判所の所長に着任していて、和歌山地裁では初の女性所長となります。

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