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【国文祭】有吉佐和子生誕90周年シンポジウム

2021年11月03日 18時55分

イベント歴史・文化

「紀ノ川」や「華岡青洲の妻」「複合汚染」など、幅広い分野の小説を世に送り出した和歌山市出身の作家で、ことし(2021年)生誕90周年を迎えた有吉佐和子(ありよし・さわこ)を顕彰するシンポジウムが、きょう(3日)午後、和歌山市の和歌山城ホールで開かれました。

有吉佐和子シンポジウムのもよう(11月3日・和歌山城ホール)

有吉佐和子は、90年前の1931年に和歌山市で生まれ、1984年に53歳で亡くなるまで、ふるさと・紀州を舞台にした「紀ノ川」「華岡青洲の妻」といった小説や、「複合汚染」「恍惚の人(こうこつのひと)」といった社会問題をテーマにした作品なども手掛け、昭和の女流ベストセラー作家として多くのファンや作家に支持されました。

今回のシンポジウムは、現在開催中の「紀の国わかやま文化祭2021」の一環として、日本ペンクラブが主催したもので、日本ペンクラブ前会長で作家の吉岡忍(よしおか・しのぶ)さんの司会で進行しました。 

有吉玉青さん

この中で、パネリストを務めた有吉佐和子の長女で、大阪芸術大学教授の有吉玉青(ありよし・たまお)さんは、最も好きな有吉作品について問われると「大変厳しく躾けられ、生前あまり作品について会話をした記憶は無いのですが、「紀ノ川」や「華岡青洲の妻」などの登場人物を見ると、大事にしてもらえて羨ましいなぁと思ってしまいます」と話していました。

同じくパネリストで作家の下重暁子(しもじゅう・あきこ)さんは「有吉さんは、ひとつのエッセイを書くのでも、7冊から8冊も本を読んだり、古典芸能への理解も深かったりと大変な勉強家で、ひとりで3人ぐらいの人格をこなしているように見えました」と語りました。

語りのもよう

このほかきょうは、元NHKアナウンサーの山根基世(やまね・もとよ)さんが、バイオリンの演奏をバックに、小説「紀ノ川」の一節を織り交ぜながら有吉の生涯を振り返る語りを聞かせたほか、俳優の浜畑賢吉(はまはた・けんきち)さんらが、京都の竜安寺(りょうあんじ)の石庭から着想を得た有吉初期の小説「石の庭」を朗読し、観客を魅了しました。

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