「中田の棚田」認定    棚田・段々畑のシンポジウム

2021年10月25日 23時26分

イベント歴史・文化社会

棚田・段々畑の保全や活用について考えるシンポジウムがきょう(10/25)、紀美野町で開かれ、紀美野町小川地区にある「中田の棚田」が、わかやまの美しい棚田・段々畑に認定され、専門家が、この棚田について講演しました。

シンポジウムが開かれた紀美野町文化センター(2021年10月25日)

これは、和歌山県棚田等保全連絡協議会と県が主催して初めてシンポジウム形式で開いたものです。

シンポジウムでは、はじめに、わかやまの美しい棚田・段々畑認定証の授与式が行われ、県内14例目として今年度認定された、紀美野町の中田の棚田の保全に取り組んでいる小川地域棚田振興協議会の北裕子(きた・ゆうこ)会長に、海草振興局の日裏佳宏(ひうら・よしひろ)局長から認定証が授与されました。

この後、早稲田大学教育・総合科学学術院の高木徳郎(たかぎ・とくろう)教授が今回、認定された「中田の棚田」について講演し、「この棚田は、最初にいつ整備されたかは、はっきりわからないが、高野山に伝わる古文書によれば、天野社(あまのしゃ)、現在の丹生都比売神社で開かれる祭礼の費用を徴収した際の帳簿に記載があり、1425年には存在したことが記されている。伝承などではなく、確実な史料から確認できるのは珍しい」と指摘しました。

講演する高木教授

そして、「明治時代の初めの頃には、中田の棚田の広さは、およそ10町歩だったが、15世紀には、さらに大きい、およそ14町歩の面積だったとみられ、耕せる土地には、隅々まで棚田が広がり、棚田の村という景観を呈していたとみられる」と述べました。

講演する貫田研究員

このほか、シンポジウムでは、島根県中山間地域研究センターの貫田理紗(ぬきた・りさ)研究員が、島根県での取り組みを紹介したほか、県内で棚田の保全に取り組む人たちによるパネルディスカッションも開かれました。

シンポジウムは、紀美野町文化センターを会場に開かれ、県内で棚田の保全などに関わっている人らおよそ200人が参加したほか、その模様は、海草を除く6つの振興局に設置されたサテライト会場でオンライン配信されました。

あすは、およそ50人が参加して、中田の棚田を見学することになっています。

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