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【水管橋崩落・断水】和市の調査委員会、初会合

2021年10月21日 21時13分

災害・防災社会

和歌山市の紀の川にかかる水道管の橋が崩落し、北部地域で大規模な断水が発生した問題で、和歌山市は、事故の原因を究明するための調査委員会を立ち上げ、きょう(10/21)、初めての会合を開きました。

2021年10月21日・和歌山市勤労者総合センター6階

この問題は、今月(10月)3日、和歌山市南部の浄水場から北部地域へ送水している水道管の橋が落下して断水が発生したもので、北部地域のおよそ6万世帯、13万8千人が1週間にわたって影響を受けました。市は、並行して紀の川にかかる県道の六十谷橋に仮の水道管を設置し、断水を解消しましたが、これに伴う県道の通行止めは、水道管が本復旧するまで続く見通しです。

調査委員会の4人の委員

こうした中、きょう午後1時から和歌山市役所近くの勤労者総合センター6階で、調査委員会の初めての会合が開かれ冒頭、瀬崎典男(せざき・のりお)公営企業管理者が挨拶した後、4人の委員の互選で座長に選ばれた神戸大学大学院工学研究科の鍬田泰子(くわた・やすこ)准教授が議事を進行しました。

座長の鍬田委員

会議では、4人の委員が、崩落した瞬間や、落下せずに残った橋をドローンで撮影した映像を見て橋の吊材(つりざい)が破断しているのを確認した後、崩落現場に移動し、紀の川の河川敷から、望遠鏡を使うなどして吊材の状況を調べていました。

ドローンの映像を確認する委員ら
落下せずに残った橋を双眼鏡で確認する委員(和歌山市・崩落現場で)

この後、4人の委員は、橋が崩落した原因や、企業局が本復旧の案として示した崩落した橋とその周辺を同じ形式で架け替え、落橋せずに残った部分を来年5月末までに補強するという工法について、意見を述べました。

配管を接続するために切断した水管橋の一部を確認する委員ら

橋が崩落した原因について、4人の委員は、いずれも吊材の腐食や破断が橋の落下につながった可能性を指摘しましたが、なかでも公益社団法人・日本水道協会の剣持光信(けんもち・みつのぶ)委員は、「中央の落下した部分と、その前後にある吊材が破断したアーチは、他と違って、特に風の影響が強かったのではないか」と指摘しました。

また、本復旧するための工事方法については、阪神水道企業団の中安眞司(なかやす・しんじ)工務課長が、「まだ原因究明がしっかりなされていない段階だが、道路の封鎖状況をなくし、河川の流水を阻害する落下した橋が残っている状況を早期に解消するため、和歌山市の案をとらざるを得ない」と述べるなど、4人の委員は、おおむね、市が示した本復旧の方針を追認する考えを示しました。

しかし、和歌山大学システム工学部の江種伸之(えぐさ・のぶゆき)教授が「同じ形式による復旧に当たっては、復旧後のメンテナンスやチェック体制を改良する必要がある」と述べたほか、鍬田座長は、「吊り材の結合部分が腐食しやすいとみられるので、これを改良する必要がある」と指摘し、「より早く安い工法がないか、さらに設計の専門家の意見を聞くなどして最終的に決定してほしい」と述べるなど、委員からは、それぞれ注文がつけられました。

この調査委員会は、今年度中にあと2回予定されていて、和歌山市は、きょうの意見を踏まえてさらに検討を進めることにしています。

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