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【断水】和歌山市、本復旧など今後の方針示す

2021年10月20日 21時01分

災害・防災社会

和歌山市北部地域で発生した大規模な断水で、和歌山市はきょう(10/11)、落下した水道管の橋の本復旧や、原因究明、断水地域への減免措置などについて、今後の方針を市議会の全員協議会で説明しました。

この大規模断水は、今月(10月)3日の夕方、和歌山市南部の浄水場から北部地域へ送水している水道管の橋が落下して発生したもので、北部地域のおよそ6万世帯、13万8千人が影響を受けました。

市は、並行して紀の川にかかる県道の六十谷橋に仮の水道管を設置し、断水を解消しましたが、これに伴う県道の通行止めは、水道管が本復旧するまで続く見通しです。

こうした中、和歌山市はきょう、現段階で市が考えている本復旧の工事方法や、断水に伴う減免措置、今後の原因究明などについて、市議会の全員協議会に尾花正啓(おばな・まさひろ)市長のほか、企業局の幹部らが出席して説明しました。

それによりますと、本復旧について、市は、橋が落下した部分とその前後を同じ形式で架け替えた上で、落下しなかった部分を点検し、部材の交換や修繕で対応する方法を検討していることを明らかにしました。

工期については、川が増水しやすい出水期を避ける必要があるため、今月16日から6月15日までが工事可能な期間となり、市は、今月から来年5月末頃までを計画工期としています。

そして、今後の工事のスケジュールとして、市は、仮桟橋の設置から取り掛かり、落下した水道管の橋の撤去や落下せずに残った橋の点検、補強、修繕、さらに落下した橋の架け替えを順次、行うという案を示しました。

また、原因究明の調査については、復旧方法など、技術的な観点からの助言を求めるため、4人の専門家からなる調査委員会を設置し、あす初めての会合を開くことを明らかにしました。今年度内に3回程度、開いて検討を重ねるということです。

きょうの市議会全員協議会では、議員から質問が相次ぎ、「原因究明ができていない段階で、本復旧の工事を進めて大丈夫か」「橋脚がずれているかもしれない中で、落下せずに残った部分を使用して大丈夫なのか」といった質問に対し、市企業局は、「本復旧の工事方法については、案の段階だ」とした上で、「残っている部分を調査し、補修方法やそのまま使用できるかどうかなどを検討する」と述べました。

また、断水に関する減免措置について、市は、断水した北部地域を対象に、1ヶ月分の水道料金を減免する方針を示したほか、賠償責任保険の適用範囲で、断水により廃棄された飲食店の食材などを補償する方針を示しましたが、いわゆる休業補償については、「法律上、一般財源からの支出は難しい」と述べました。

これに対し、議員からは、「和歌山市の北部地域では、水道料金は減少するが、南部では、逆に水道の使用が増えたので、企業局の収入が増えるはず。その収入を、飲食店などへの休業補償にあててはどうか」という意見が出され、市企業局は「今後、あらゆることを勘案して検討していきたい」と答弁しました。

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