秋の風物詩「あぶりあゆ」、熊野古道、土産店が手作り
2021年10月13日 18時48分
世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の熊野古道・中辺路(なかへち)では今、昔ながらの保存食「あぶりあゆ」作りが行われています。
「あぶりあゆ」作りを行っているのは、田辺市で土産物店と民宿を営む木田豪(きだ・つよし)さんです。
古道歩きの拠点となっている滝尻(たきじり)王子の近くに店を構える木田さんは、近くを流れる富田川(とんだがわ)で夏に釣ったアユを冷凍保存し、9月末から順次解凍、温度の異なる炭火を用意して高温から低温へとアユを移しながら1日8時間近く、2日間続けてじっくりとあぶります。
あぶり終えたアユは、縄で5匹ずつくくられて3500円で販売され、地元では秋の風物詩となっています。
今年は、新型コロナウイルス禍で観光客が減っていますが、常連客らから寄せられた予約注文で、ほぼ埋まっているということです。
「毎年待っていてくれる人がいる。手間だけど、やめられません」と、木田さんは、金網の上で薄茶色に焦げ目が付いていくアユを返しながら、額に汗をにじませています。
「あぶりあゆ」作りは、今月(10月)末ごろまで続けられます。