【断水】徐々に解消 「1週間ぶりの風呂楽しみ」
2021年10月09日 15時22分
和歌山市の紀の川にかかる送水管の橋が崩落し、北部地域で大規模な断水が発生した問題で、断水した地域への送水が再開され、断水は、6日ぶりに順次、解消されています。和歌山市は、きょう午前8時半から、断水地域への給水を、順次、始めましたが、午前中に水が出ていない地域があるほか、透明な水が出ていても、水質検査をクリアするまでは、飲料水として使わないよう市民に呼びかけています。
この問題は、和歌山市の紀の川に架かる南部から北部へ水を送るための唯一の送水管の橋が崩落し、和歌山市北部でおよそ6万世帯が断水したもので、水道を管理する和歌山市は、今月6日から仮の水道管を設置するための工事を進め、昨夜遅くに北部地域の配水池への送水を再開した上で、きょう午前8時半から蛇口を開けるよう、市民に呼びかけていました。
和歌山市松江に住む77歳の男性は、濁り水を避けるため、きょう午前11時半頃、玄関先にある水道の蛇口を開け、1週間ぶりに花に水をやりました。
男性は、妻が寝たきりで、和歌山市の南部地域に住む娘に毎日、水を持ってきてもらっていたということで、「たまに手洗いして余った水を花にあげていましたが、断水している間、ほとんど水をやっていなかったので、すっかり花が弱ってしまいました。この1週間、持ってきてもらった水で体をふく毎日で、大変な目に遭いましたが、水が出てくれてほっとしています。今晩は、風呂に入れそうです」と笑顔を見せていました。
一方、水道が使えるようになった地域でも、濁り水で生活用水として使用できないケースがあり、大型ホームセンターを訪れた、和歌山市栄谷に住む70代の女性は、「きょうは目が覚めて、もう使えるだろうと思ったら、まだ使えず、何時頃に使用できるかもわからず、困っています」と話していました。
ところで、現在、設置している給水所について、和歌山市は、断水が解消できたかどうかを確認しながら徐々に減らしていく方針ですが、解消しない地域では、きょうも、給水タンクを車に積んだ人たちが続々と訪れていました。
このうち、和歌山市栄谷の藤戸台小学校に設けられた給水所では、訪れた人たちが、「朝から何度も蛇口をひねっていますが、まだ全然、水が出ません。予想外のことで、仕事場には遅刻すると知らせました」「貯めた水も尽きてきたので、トイレに使う水を取りに来ました」「学校に行けなくて家にいるので、しんどい。水が出たら家のお風呂に入りたい」などと話していました。
断水解消後の水の使用について、和歌山市は、透明であっても、一定期間、飲み水ではなく、生活用水として利用するよう呼びかけていて、今後、水質を検査した上で、飲み水として使用が可能になる場合には、 その段階で市民に知らせるとしています。