【水管橋破損・断水】橋の吊材破断、崩落の原因か
2021年10月06日 23時18分
和歌山市北部での6万世帯に及ぶ断水を発生させた紀の川にかかる水道管の橋の崩落について、和歌山市の尾花正啓(おばな・まさひろ)市長は、きょう(10/6)、ドローンを使った原因の調査の状況を明らかにし、「崩落しなかった部分の橋を吊っている吊材(つりざい)と呼ばれる部分のうち、4本が腐食し破断していたことがわかった」と述べ、こうした腐食が崩落につながった可能性に言及しました。
和歌山市では、きょう、崩落の原因を解明するため、ドローンを使って現場を撮影し、夕方になって、尾花市長が、この映像を示しながら現状を報告しました。
それによりますと、崩落しなかった橋のうち、崩落した部分の近くにある、水道管の橋を吊り下げるための「吊材(つりざい)」と呼ばれる直系およそ14センチの柱4本が腐食して破断していたことがわかりました。
尾花市長は、「原因はまだ調査中」とした上で、「この吊材が切れた可能性が高く、落橋につながった原因の一つであることは間違いないと思う」と述べ、きょう午後から合流した、国土交通省と国の研究所の専門家2人を交えて今後、さらに調査を進めていく考えを示しました。
また、腐食した原因について、尾花市長は、「破断した付近に、鳥のふんが付着しているのを確認したが、専門家からは、『塩分や雨水も影響する』という指摘があった」と述べ、今後、さらに調べることにしています。
和歌山市では、毎年、市の職員が水道管の橋の上を歩いて目視で点検を行っていますが、今年(2021年)5月の点検では、橋の上部のアーチに腐食を確認していたものの、今回、見つかった、破断した部分は確認できていませんでした。
尾花市長は「人が通る道路橋と比較して検査の内容が甘くなっていたのではないかと思う。今後は、道路橋に準じた形で点検する必要があると考えている」と述べました。
和歌山市では、今後、さらに解像度の高いカメラを積んだ大型のドローンを使って、崩落した橋の状況を調べることにしています。