和歌山市民会館閉館 落語家・桂枝曾丸さんがラスト公演

2021年09月30日 20時20分

イベント歴史・文化社会

きょう(9/30)で閉館となる和歌山市民会館では、さまざまなアーティストが舞台に立ってきましたが、和歌山市在住の落語家、桂枝曾丸(かつら・しそまる)さんは、長年、市民を対象にした市民会館主催の落語教室や自らの落語会を開いてきました。

和歌山市民会館・市民ホールでおばちゃん落語を演じる枝曾丸さん(2021年9月12日)

枝曾丸さんは、20年前から毎年、開いている「わかやま芸品館」と題する自らの落語会を第5回から和歌山市民会館で開いてきたほか、11年前から市民会館主催で開催されている市民を対象にした落語教室で当初から特別講師を務め、落語の歴史を教えたり、発表会に向けて、落語の指導にあたってきました。

この落語教室を卒業したメンバーは、和歌山市民会館落語倶楽部「和歌山記(しるす)の会」を立ち上げ、神社や小学校などで落語を披露しています。

また、枝曾丸さんは、和歌山弁落語だけでなく、紀伊国屋文左衛門(きのくにやぶんざえもん)や南方熊楠(みなかた・くまぐす)など、和歌山の偉人をテーマにした落語を初めて披露する場として、「わかやま芸品館」を位置づけてきました。

落語教室を卒業してプロの落語家となった桂雪鹿さん

今月12日には、市民会館での最後の落語会となる「桂枝曾丸 噺の世界」が開かれ、市民会館主催の落語教室で枝曾丸さんから指導を受け、その後、プロの落語家となった桂雪鹿(かつら・ゆきしか)さんが「時うどん」を披露したほか、ステージには、枝曾丸さんの創作落語を手掛ける漫画家のマエオカテツヤさんや、和歌山県民謡連合会メンバーも登壇し、マエオカさん作詞の民謡「紀州旅駕籠(きしゅうたびかご)」を初めて披露するなどしました。

ステージでは、マエオカさん(右)も参加してトークショーも

枝曾丸さんは、「閉館にあわせて落語会を開くことができてよかった。長年、お世話になった和歌山市民会館が閉館するのは残念ですが、これからも、世代を超えて多くの人に大衆芸能としての落語を理解してもらえるよう、落語教室などを通じて発信していきたい」と話しています。

和歌山市から委託を受けて市民会館を管理している和歌山市文化スポーツ振興財団は、引き続き市民会館の後継となる和歌山城ホールの管理を担うことになっていて、「条件が整えば、是非、来年以降も落語教室を継続していきたい」としています。

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