紀伊半島大水害10年・若手の神職らが海南で慰霊祭

2021年09月28日 19時10分

災害・防災社会

和歌山・奈良・三重の3県を中心に83人が犠牲となった紀伊半島大水害から10年が経ち、改めて犠牲者の霊を慰めようと、近畿2府4県の若手の神職らが、きょう(28日)海南市の海南nobinos(ノビノス)で慰霊祭を開きました。

きょうの慰霊祭のもよう(9月28日・海南nobinos)

これは、神道(しんとう)青年近畿地区連絡協議会が主催したものです。

協議会は、2011年9月に発生した紀伊半島大水害では、熊野地方を中心に被災した神社の復旧や支援物資の提供に駆けつけました。10年が経過し、災害の記憶を風化させないよう、改めて犠牲者を追悼しようと、今回、初めて慰霊祭を企画したものです。

祭詞の奏上

午前11時に、海南nobinosのノビノスホールで開かれた慰霊祭では、協議会会長で奈良県・橿原神宮の西田周司(にしだ・しゅうじ)権禰宜(ごんねぎ)が祭壇に向かって祭詞(さいし)を詠み上げたあと、協議会監事で田辺市・八幡(はちまん)神社の下向陽平(しもむかい・ようへい)禰宜が玉串を捧げて、大水害の犠牲者を追悼しました。

監事で八幡神社(田辺市)の下向禰宜

終了後あいさつした下向禰宜は「私の周りでも沢山の被害がありました。我々神職はこれからも慰霊の誠を捧げる大切な役割を担っていきたい」と述べました。

会長で橿原神宮の西田権禰宜

西田会長は「10年経ち復興も進みましたが、遺族にとってはいつまでも忘れられません。祭典を通じて大水害を語り伝えることで防災に繋げることが大切です」と語りました。

きょうの慰霊祭は、新型コロナウイルス感染防止のため、参列者を和歌山県や奈良県など緊急事態宣言が出されていない地域の神職に限定し、参列できない神職には、祭礼のもようをウェブ会議システムで中継して伝えました。

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