【新型コロナ】県内21人感染、1人死亡 子ども園でクラスター発生

2021年09月09日 18時35分

社会福祉・医療

和歌山県はきょう(9/9)、県内で新型コロナウイルスに感染して入院していた90代の男性1人が死亡し、就学前の幼児から70代までの男女21人が新たに感染したと発表しました。県内で死亡した人は57人となり、県内の累計の感染者数は4982人となりました。

新たに亡くなったのは、和歌山市に住む90代の男性で、クラスターとなった和歌山市の古梅記念病院に入院していた先月18日、接触者としてPCR検査を受けて陽性が判明し、肺炎像が確認されたため、先月29日から酸素投与の治療を受けていましたが、きょう、死亡しました。死因となった疾患に、新型コロナウイルス感染症が影響したということです。死亡した男性には、基礎疾患があり、ワクチンを一度も接種していませんでした。

一方、きょう感染が判明した21人のうち、橋本保健所管内に住む就学前の女の子は、社会福祉法人・かつらぎ福祉会が運営するかつらぎ町立「佐野(さや)子ども園」に通っていて、これまでに、この子ども園に勤務する20代の女性保育士1人と、3人の園児の感染が判明していることから、県は、この子ども園を県内86例目のクラスターと認定しました。

保健所の調査では、感染した女性保育士は、先月31日に発熱の症状が出た際、解熱剤で熱を下げてその後も勤務し、今月2日になって友人の感染が判明し、接触者として受けたPCR検査で陽性が判明しました。

県福祉保健部の野尻孝子(のじり・たかこ)技監は、「新型コロナウイルスには、発症する前から他人に感染させるという難しさがあるので、友人に症状が出たら、新型コロナと診断されていなくても、連絡を取りあってなるべく人に会わないようにしてほしいし、症状が出たらすぐに医療機関を受診してほしい」と呼びかけました。

記者会見する野尻技監(2021年9月9日・県庁記者会見室で)

新たに感染が判明した21人の保健所別の内訳は、岩出が10人、和歌山市が6人、田辺が3人、橋本が2人、海南、湯浅、御坊、新宮はゼロで、県外もゼロでした。

直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は、県全体が31・4人で、政府が示す爆発的感染拡大の水準の25人を超えていますが、きのうより減少しています。

また、きょう現在、入院しているのは324人で、県内のコロナ用病床605床に、臨時に設けられた4床を加えた病床の使用率は53・2%となり、きのうの値をさらに下回りました。

酸素投与が必要な重症者は22人で、きのうより2人減りましたが、重篤な症状で人工呼吸器を装着している2人を含む4人が、依然として、ICU・集中治療室で治療を受けています。

また、県が準備した療養のためのホテルを利用している人は、きょう現在、ゼロとなっています。

こうした現状について、県福祉保健部の野尻技監は、「いったん大きなヤマは越えて減少傾向が続いていますが、隣りの大阪府では、感染状況が高止まりしているし、集団感染が発生すると、感染者が急増するので、引き続き、感染対策の徹底が必要」と指摘しています。

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