第27回キワニス賞表彰式「あたたかい小さな手」受賞
2021年08月24日 19時32分
長年にわたり青少年の健全育成や環境保全など社会貢献活動を行っている個人や団体を表彰する、今年度(2021年度)の「キワニス賞」の表彰式が、きょう(8/24)、和歌山市のホテルで開かれ、受賞者に賞状と副賞が贈られました。
これは、和歌山市に拠点を置く奉仕団体「和歌山キワニスクラブ」が、毎年この時期に表彰しているものです。
27回目となる今年は、ゾウやパンダの糞の標本を使い、動物の身体の構造などを紹介する「うんこ博士」として、全国各地で講演活動を行っている海南市在住の中尾卓嗣(なかお・たかつぐ)さんと、難病で失明した男性のバス通勤を10年以上にわたって児童が引き継いでいる和歌山大学教育学部付属小学校が選ばれました。
きょう午後、和歌山市のホテル・アバローム紀の国で行われた表彰式では、和歌山キワニスクラブの大岩德成(おおいわ・よしなり)会長が、中尾さんと、和歌山大学教育学部付属小学校の辻本和孝(つじもと・かずのり)副校長に賞状と副賞を手渡しました。
和歌山大学教育学部付属小学校の児童による小さな親切は、全盲でバス通勤する和歌山市の職員、山崎浩敬(やまさき・ひろたか)さんが書いた「あたたかな小さい手のリレー」が、作文コンクールで大賞を受賞して明らかになった経緯があり、受賞の挨拶で、辻本副校長は、「10年以上前から、子どもたちが、同じバスに乗り合わせた人の手助けをしていたことは、山崎さんの作文が紹介されるまで知りませんでした。これからも、優しい気持ちでサポートできる子どもたちが増える学校にしていきたい」と語りました。
式典には、山﨑さんへのサポートを先輩から引き継いだ小学5年の河島香音(かわしま・かのん)さんと小学3年の西前友雅(にしまえ・ゆい)さんが、保護者とともに出席しました。
式典の後、小学3年の西前さんは、「お姉ちゃんたちがやっていたから、やっただけなので、表彰されて驚いたけど、うれしかった。山崎さんみないに不自由な人がいたら、自分にできることをやりたい」と話し、小学5年の河島さんは、「お姉ちゃんたちがやっていたのを真似てやってきたので、みんなで受賞できて、よかった。この先、卒業しても、後輩のみんなに山崎さんのサポートを続けてもらいたい」と話していました。
山崎さんが書いて作文コンクールで受賞した「あたたかな小さい手のリレー」は、今後、絵本として出版される予定で、和歌山大学教育学部付属小学校では、副賞で本棚を購入し、図書室に設置することにしています。