平和の鐘をつく催し、警報で中止、関係者のみ打鐘

2021年08月15日 18時33分

社会

76回目となる「終戦の日」のきょう(8/15)、和歌山県内の寺院などで予定されていた鐘をついて平和を祈る催しは、大雨警報のため中止となりましたが、昼前に警報が解除された和歌山市では、「岡山時鐘堂(じしょうどう)」で関係者だけが集まり、平和の鐘をつきました。

鐘をつく和歌山ユネスコ協会の芝本会長(2021年8月15日・岡山時鐘堂で)

きょうの催しは、午前7時の段階で、県北部を中心に大雨警報が出ていたため中止となりましたが、和歌山市に出されていた警報が午前10時半過ぎに解除されたため、和歌山市吹上にある、県の指定文化財「岡山時鐘堂」では、主催する和歌山ユネスコ協会の関係者5人が集まって鐘をつきました。

和歌山ユネスコ協会の髙垣晴夫事務局長

鐘つきは、きょう正午の時報にあわせて行われ、天候が回復したため訪れた市民およそ10人も木造の階段で鐘楼をのぼり、勢いをつけて鐘をついていました。

訪れた市民も鐘をついた

和歌山ユネスコ協会が毎年8月15日に平和の鐘つきを始めたのは、1948年で、今年(2021年)で74回目となりました。

和歌山ユネスコ協会の芝本和己(しばもと・かずき)会長は、「ずっと続いてきている催しなので、関係者だけでも毎年、つないでいこうと取り組んでいます。ユネスコ憲章の前文で『戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない』とうたわれているように、自分たちの中で『ちょっと待てよ』と思いとどまるために何が必要か、戦争を体験したか否かに関わらず、私たちは考え、つないでいかなければならない」と話しました。

岡山時鐘堂の鐘は、大坂夏の陣で豊臣方が使用し、その後紀州藩が管理していた大筒を鋳造しなおしたもので、武器の平和利用の象徴として、和歌山ユネスコ協会が、毎年、終戦の日に鐘をつく催しを行っています。

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