わたぼうし音楽祭入選 太地町・野澤さん投票呼びかけ
2021年07月30日 19時51分
障害のある人たちが書いた詩に公募で曲をつけた歌や、障害者自らが作詞・作曲した歌のコンテストを兼ねた「第46回わたぼうし音楽祭」の入選8作品に、太地町に住む知的障害のある男性の作品が選ばれ、あさって(8/1)開かれる音楽祭で一般視聴者によるインターネット投票にのぞみます。

「わたぼうし音楽祭」は、障害のある人たちの思いがこもった歌詞に光を当てようと、ボランティア団体の奈良たんぽぽの会が1976年から開いているもので、今年で46回目です。
障害のある人を対象に、全国から詩を募集し、選ばれた詩にあった曲を別途、公募して歌を作るとともに、障害者が作詞・作曲した歌も募集して審査し、毎年、入選作品を選んでいます。
今年は、作詞の部と、作詞・作曲の部に全国からあわせて780点が寄せられ、東牟婁郡太地町の野澤大輔(のざわ・だいすけ)さん36歳が半年がかりで作詞・作曲した「僕の一日」など8つの作品が入選し、わたぼうし音楽祭での審査にのぞむことになっています。
知的障害のある野澤さんは、太地町のグループホームで暮らしていて、新宮市にある作業所まで毎日、電車とバスを利用して通勤しています。
「僕の一日」には、作業所でパンを焼いていることや豚肉のカレーが好きなこと、お風呂に入った後、ギターを弾いていることなどがつづられています。


野澤さんは、おととい(7/28)放送された和歌山放送新宮支局の単独放送「新宮発ラジオDE元気」に出演した後、取材に応じ、「こうしてラジオに出演できるのも、みんなのおかげ。歌の最後に出てくる“おやすみグナイ!いい夢みてね”を入れたくてこの歌を作りました。8月1日のわたぼうし音楽祭、ユーチューブで観てね」と呼びかけました。“おやすみグナイ!いい夢みてね”は、野澤さんが書くブログの締めの言葉で、野澤さんは、最初からこの歌に入れることを決めていました。

障害のある仲間らとともにバンドとして活動している野澤さんは、冗談を交えて「趣味がパン作りで、本業はシンガーソングライター」と話し、「歳をとっても、死ぬまでバンド活動を続けていたい」と夢を語りました。
コンテストは、去年に続いてオンラインで開催されることになっていて、8組の作詞・作曲者の紹介や歌の披露の後、会場にいる3人の審査員のほか、一般の人たちがインターネット上で審査に参加し、投票します。
入選作品によるコンテストも兼ねた「第46回わたぼうし音楽祭」は、来月(8月)1日の午後2時からインターネット上で開かれます。
事務局によりますと、午後3時40分頃までに入選した8組の紹介や歌の披露が行われ、そのあと、ネットによる投票を経て午後4時頃から審査結果が発表される見通しです。野澤さんは、5番目に登場する予定です。