【新型コロナ】第四波で市中感染発生 和県内の一部に 

2021年07月02日 19時07分

社会福祉・医療

新型コロナウイルス感染の第四波で、和歌山県内では、ことし3月から5月にかけて一部で市中感染が発生していたことがわかりました。

これは、県福祉保健部の野尻孝子(のじり・たかこ)技監が、県内での新型コロナウイルス感染症の発生状況について、第四波の状況を中心にまとめて発表したものです。

県内の感染状況について発表する野尻技監(2021年7月㏡・県庁記者会見室)

それによりますと、国立感染症研究所でのゲノム解析の結果、第四波で感染源がわからなかった人の中には、聞き取りなどの疫学調査ではつながりのなかったカラオケ関連のクラスターの感染者とまったく同じか、同じ系統のウイルスに感染した人がたくさんいたことがわかり、ことし3月末から5月はじめにかけて県内の一部で市中感染が発生したと考えられるとしています。

県福祉保健部の野尻技監は、「これまで市中感染の可能性を指摘してきましたが、ゲノム解析でこれだけはっきり結果が出れば、3月から5月までの間に市中感染が発生していたと考えざるを得ない」とした上で、「保健所などの努力で、囲い込むことができた」と述べ、感染者の発見とクラスターの探知を早期に行い、感染源を特定してPCR検査を実施し、さらなる感染拡大を防止する重要性を強調しました。

また、第四波の症状を分析すると、感染が判明した時点で発熱のない人は6割にのぼり、入院中も含めてまったく発熱しない人が3割もいたことがわかっていて、野尻技監は、「発熱があるかないかにとらわれると診断が難しくなる」と指摘しました。

一方、新型コロナワクチンの接種に関しては、県内にある1つの病院で行われた、医療従事者471人に対する接種状況がまとめられ、2回の接種後に副反応が出た人は、男性で9・5%、女性で16・7%となりました。また、副反応が出たかどうかにかかわらず、接種後の抗体の値はほとんどが高くなり、ワクチンの有効性を裏付ける結果となりました。

今後について、野尻技監は、「インド由来のデルタ株は、いまのところ、県内で確認されていませんが、ウイルスは、より感染力の強いものに置き換わっていくので、今後、夏の休暇で人々の移動が始まれば、県内への流入が懸念される」とした上で、「今月(7月)後半から8月にかけて第五波が来るかもしれないという危機感は強く持っており、今後も感染者の早期発見、早期隔離につとめていきたい」と述べました。

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