県・農作物鳥獣害対策アドバイザー・今年度(2021年度)の研修始まる
2021年06月29日 12時13分
イノシシやシカ、サルなどの野生動物による農作物への被害を防ぐため、専門的な知識を持ったアドバイザーを育成する和歌山県の今年度(2021年度)の研修が、きょう(29日)から始まりました。
これは、県が2006年度に創設した制度で、わなの整備や防護柵の設置などをアドバイスする「農作物鳥獣害対策アドバイザー」を育成し、長年の課題となっている鳥獣害対策をより効果的に進めようというもので、これまでに、鳥獣害に関係する県内の自治体やJAの職員などが、アドバイザーに認定されています。
きょう午前、和歌山市の県民文化会館で開かれた1回目の研修には受講生およそ20人が出席しました。
午前の研修では、県の職員から、県内の農作物の被害状況や、鳥獣保護と狩猟の適正化に関する法律などについて説明を受け、午後は、岐阜大学の森部絢嗣(もりべ・じゅんじ)准教授が、イノシシとシカの生態や、被害対策について講義しました。
研修は12月上旬まであわせて5回開かれ、参加者はアライグマやサルの対策、わな免許の講習、電気柵の設置方法などを実地研修を交えて学びます。
県・鳥獣害対策室によりますと、2019年度の鳥獣による県内の農作物の被害額は、3億600万円あまりにのぼっていて、山間部を中心にシカやサル、イノシシ、アライグマの被害が目立つ一方で、狩猟免許の取得者の高齢化が進み、若い世代の免許取得者を増やすことが求められています。