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「稲むらの火の館」で伝達式 気象庁長官表彰

2021年06月10日 18時45分

災害・防災社会

江戸末期から明治にかけての偉人・濱口梧陵(はまぐち・ごりょう)にまつわる津波防災の啓発活動で顕著な功績があったとして、気象庁長官表彰に選ばれた広川町の「稲むらの火の館」できょう(6/10)、表彰の伝達式が行われました。

賞状を手に写真に納まる﨑山館長(左)と石井台長

気象庁長官表彰は、気象庁の前身となる東京気象台が、1875年6月1日に、気象と地震の観測を始めたのを記念して、気象庁がこの日を「気象記念日」とし、毎年、気象業務に功績のあった機関や団体を表彰しているものです。

この気象庁長官表彰を「稲むらの火の館」が受けることになり、きょう午前11時から館(やかた)で伝達式が行われ、和歌山地方気象台の石井嘉司(いしい・よしもり)台長から﨑山光一(さきやま・こういち)館長に、表彰状と記念品が伝達されました。

和歌山地方気象台の石井台長は、「この賞は、雨量の観測など、気象庁の業務に直接、関わる団体に贈られるケースが多い中、啓発活動などで表彰されるケースは珍しく、長年、津波に関する知識の普及啓発を行ってきたことが評価された結果です。これまでも地元の語り部サークルの講師に気象台の職員を派遣したりしてきましたが、今後も一緒に講演会を開くなどしていきたい」と話しました。

「稲むらの火の館」の﨑山館長は、「身に余る受賞で、ありがたく思っています。これまでも小中学生に、口癖のように伝えてきた、『津波の時にはまず避難。大丈夫と思っても念のために避難して』という言葉を訴え続けるとともに、津波に限らず、危ないときは早めの避難を心がけるよう呼びかけ、次の災害では、犠牲者ゼロを目指して取り組んでいきたい」と決意を新たにしていました。

稲むらの火の館は、2007年のオープン以来、1854年の安政の南海地震で、稲わらに火をつけて津波から村人を救った濱口梧陵の功績を伝えるとともに、地震や津波から身を守る防災教育の拠点として、全国や海外から多くの入場者を迎え、2019年度までに40万人が訪れています。

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