「濱口梧陵学のすすめ」発刊 稲むらの火の館だより収蔵

2021年05月26日 18時28分

社会福祉・医療

去年、生誕200年の記念の年を迎えた広川町の偉人、濱口梧陵について大学の研究者や地震の専門家らがさまざまな視点から記した寄稿文が一冊の冊子にまとめられ、「濱口梧陵学のすすめ」として発刊されました。

濱口梧陵は、江戸時代末期の安政南海地震で津波が発生した際、逃げ遅れた村人を高台に導くため、稲わらに火を放って津波から村人を救ったエピソード「稲むらの火」で知られています。

広川町では、去年の濱口梧陵生誕200年を機に、おととし立ち上げた「濱口梧陵生誕200年未来会議」の設立総会で、会議の委員を務める四天王寺大学の曽野洋(その・ひろし)教授が、「濱口梧陵学」の創設を提唱し、梧陵の偉業や魅力を国内外へ発信していくことになりました。

新型コロナウイルスの感染拡大で、去年は、予定した記念イベントが実施できない状況が続く中、四天王寺大学の曽野教授の寄稿文が、稲むらの火の館の広報誌「やかただより」に掲載されたのを機に、﨑山光一(さきやま・こういち)館長が稲むらの火の館と交流のあったさまざまな分野の専門家らに寄稿してもらい、連載された10人の寄稿文を今回、冊子にまとめて発刊しました。

冊子のもとになった「やかただより」は、前館長、熊野亨(くまの・とおる)さんが10年前に発行し始めたもので、﨑山館長が引継ぎ、4年前には、国立国会図書館の収蔵対象になり、いまでは、第1号から最新号まですべて国立国会図書館に収蔵されています。

冊子は46ページで、歴史や防災、危機管理や地震の専門家らが、それぞれの視点や研究分野から梧陵について寄稿文を寄せています。

﨑山館長は、「これまでは、梧陵さんと言えば、津波防災でしたが、コロナの時代になって、梧陵がかつて千葉県の銚子にコレラが入ってこないよう医師を支援したことが知られるようになりました。この冊子には、このほかにも、さまざまな角度から梧陵に関して書かれていて、これからもこの冊子を含めて梧陵の偉業を皆さんにお伝えしていきたい」と話しました。

この冊子は、稲むらの火の館に返信用の切手を送ると、入手できます。

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