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小野田寛郎翁、植樹15周記念祭・植樹之碑除幕式

2021年05月25日 18時55分

社会福祉・医療

元陸軍少尉で海南市出身の故・小野田寛郎(おのだ・ひろお)さんが和歌山市の竈山神社の境内に植樹して15周年を記念する「小野田寛郎翁・植樹15周年記念祭」がこのほど(5/16)執り行われ、記念の石碑が建立されました。

写真提供(すべて):陸奥宗光外務大臣の功績を教育に活かす実行委員会

これは、15年前の2006年5月15日、小野田さんが初めて和歌山県で講演したのを記念して竈山神社の境内にウバメガシを植樹してから15年を迎えた記念に行われたものです。これまでは、いたずらされるのを避けるため、植樹をしたことを公表していませんでしたが、15周年を機に公表し、記念の石碑を建立しました。

植樹されたウバメガシ(2006年5月16日当時)

石碑を建立したのは、和歌山県出身の偉人を研究し教育に還元しようと取り組んでいる陸奥宗光外務大臣の功績を教育に活かす実行委員会で、今月(5月)16日に行われた式典には、実行委員会の会員や来賓者らおよそ20人が参加し、新型コロナウイルス対策として距離を取りながら、記念祭の神事や記念碑の除幕式にのぞみました。

石碑のお祓いを行う吉良宮司

除幕式では、竈山神社の吉良義章(きら・よしあき)宮司や実行委員会の立谷誠一(たちたに・せいいち)会長らの手で白い幕が取り除かれ、石碑が披露されました。

この石碑は、実行委員会のメンバーから相談を受けた和歌山市で石材店を営む西坂大東(にしざか・だいとう)さんがその趣旨に賛同して石碑を作り、寄付したもので、除幕式の後、西坂さんは「このような機会をいただき、本当に嬉しく感謝しています」と話していました。

吉良宮司が揮毫し、西坂さんが刻んだ石碑 

竈山神社は、初代天皇となった神武天皇の兄「彦五瀬命(ひこいつせのみこと)」を祀り、“神武東征”のルートとして、古事記や日本書紀に記されている歴史的な神社で、神武東征で、彦五瀬命が戦死し竈山に墓を建てた後、紀伊半島に入ろうとした東征勢力を阻んだのが、小野田寛郎翁(おう)の先祖にあたる名草戸畔(なぐさとべ)の地元豪族衆とされています。

神事の後、小野田翁について語る吉良宮司

15年前の講演会と記念植樹を実現させた実行委員会の臼井康浩(うすい・やすひろ)副会長は、「敵対した相手の御廟を祀る竈山神社に、こちらの希望を聞いて植樹してくれた小野田さんと小野田さんが承諾するなら境内に植樹してもよいと理解を示してくれた吉良宮司、このお二人の寛大な精神がなければ、この記念碑建立もありませんでした。竈山神社の境内に小野田さんが植樹した証となる石碑の建立をもって、古事記と日本書紀の続編とし、新たな歴史の一ページを加えられたのではないかと思います」と話していました。

実行委員会では、不平等条約を改正し、日本国の独立を守った和歌山市出身の陸奥宗光外務大臣を顕彰する学習会や講演会を実施しているほか、和歌山県出身の他の偉人の志を学び、教育に活かす活動をしています。

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