補陀洛山寺で浄土目指した上人を供養

2021年05月17日 21時11分

歴史・文化

那智勝浦町の世界遺産、補陀洛山寺(ふだらくさんじ)できょう(17日)、海のかなたにあるという観音浄土を目指し小舟でこぎ出した「渡海上人(とかいしょうにん)」と呼ばれる僧の追善供養が営まれました。

再び戻ることのない上人の命懸けの行は「補陀落(ふだらく)渡海」と呼ばれ、寺によりますと、平安時代から江戸時代までに二十数回行われたと伝わり、寺の裏山に供養塔と墓が残っています。

供養は毎年「春まつり」に合わせて行われ、本堂で営まれた法要の後、2人の僧が裏山の墓前で読経しましたが、新型コロナウイルス感染対策のため一般参拝は中止されました。

高木亮英(たかぎ・りょうえい)副住職は「上人は観音様の優しい心、慈しみの心を求めて海を渡った。コロナ禍で厳しい時代、人への優しさを持って乗り越えてほしいと供養で願った」と話していました。

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