【新型コロナ】ワクチン接種、高齢者施設で本格始動

2021年05月14日 19時13分

社会福祉・医療

新型コロナウイルスのワクチン供給量が増えたのを受けて、今週から高齢者への接種が本格化する中、和歌山市では、高齢者施設でのワクチン接種も始まっています。

このうち、和歌山市平尾の特別養護老人ホーム大日山荘(だいにちさんそう)では、きのうから入所している高齢者130人と施設の職員86人のあわせて216人に対する接種が始まっています。

ワクチン接種は、密にならないよう、1回につき5人を対象に行われていて、きょう午後1時半からの接種では、入所者3人と職員2人が、接種会場の入り口で問診を受けた後、施設に併設されている診療所の医師によるワクチン接種を受けていました。

接種を受けた入所者は、「チクっとしただけで、痛くありませんでした。ワクチン接種を受けられて安心しました。これで、いまは面会できていない息子とも会えるようになれば」と話していました。

ワクチン接種後、副反応が出ないか様子をみる

和歌山市に住む65歳以上の高齢者およそ11万6千人のうち、施設に入居しているのはおよそ8千人、和歌山市内では、去年11月以降、高齢者施設で8例のクラスターが発生していて、感染防止対策の徹底が求められています。

ワクチン接種を終えた施設に勤務する介護士の岡崎一磨(おかざき・かずま)さん35歳は、「高齢者施設で働いているので、自分が感染したときに利用者にうつしてしまう恐れがあるので、食事や送迎の際などに不安を感じていましたが、これで少し安心できたような気がします。しかし、有効性も100%ではないので、これからも感染に気を付けてケアに当たりたい」と話していました。

特別養護老人ホーム大日山荘では、外部の人と入所者との面会を去年4月から原則として禁止していて、施設を運営する社会福祉法人・寿敬会(じゅけいかい)の上原浩(うえはら・ひろし)総務部長は、「このワクチン接種で、入居者やその家族の不安が少しでも取り除ければと思っています。面会については、オンラインなどで対応していますが、和歌山県の指示に従っているので、いつ再開できるかは未定です」と話していました。

この施設では、来月(6月)15日までに入所者と職員の希望者全員のワクチン接種を終えることにしています。

和歌山市によりますと、市内のおよそ11万6千人の高齢者のうち、これまでに1回目を終えた人が全体の7・3%、2回目を終えた人が1・0%で、市は、順調にワクチンが届けば、7月中旬までに希望する高齢者すべての接種を終える見通しとしています。

WBSインフォメーション

WBSショッピング55