東京の歌舞伎座に「道成寺の釣鐘バルーン」登場
2021年05月13日 19時30分
東京・東銀座(ひがしぎんざ)の歌舞伎座(かぶきざ)に、安珍清姫(あんちん・きよひめ)伝説の舞台で日高川町(ひだかがわちょう)の道成寺(どうじょうじ)にあった釣り鐘をイメージした「釣鐘バルーン」がお目見えし、歌舞伎ファンの関心を誘っています。
これは、株式会社歌舞伎座などが、歌舞伎の地方巡業のPRの一環として、歌舞伎座タワー地下2階にある土産物売り場「歌舞伎座木挽町(こびきちょう)広場」で繰り広げているもので、きのう(12日)から来月(6月)6日にかけては、関西地方物産展を開催しています。これに、和歌山県観光連盟も加わって、安珍清姫伝説をもとにした歌舞伎の演目「京鹿子娘道成寺(きょうかのこ・むすめどうじょうじ)」に関連する展示や、この秋、和歌山県で開かれる国民文化祭のPRも行っています。
そしてことし(2021年)は、道成寺に2代目の釣り鐘を奉納したとされる、南北朝時代の武将「逸見万寿丸(へんみ・まんじゅまる)」こと、源清重(みなもとの・きよしげ)の生誕700年にあたることから、物産展の期間中、木挽町広場の天井に「鐘供養」「万寿丸」いう文字と書かれた高さ3m、直系1・8mのバルーンがつるされています。
二代目の鐘は、戦国時代に紀州攻めを行った豊臣秀吉が戦利品として京都に持ち運び、現在は京都市の妙満寺(みょうまんじ)にありますが、この秋、万寿丸の生誕700年を記念して、道成寺に里帰りすることになっていて、釣り鐘の里帰りのPRにも一役買っています。
安珍清姫伝説を絵解き説法で現代に伝える、道成寺の小野俊成(おの・しゅんじょう)院主(いんじゅ)は「仏教の世界では、釣り鐘の音は仏典のすべてを一音(いちおん)で表すとされています。我々は釣り鐘に導かれて、包まれるようにコロナから護られるのではないか。作りし罪も消えぬべし 鐘の供養に参らん」と歌舞伎のセリフにちなんだ喜びのコメントを寄せています。
歌舞伎座タワーは、東京メトロ日比谷線(ひびやせん)と、都営地下鉄浅草線の東銀座(ひがしぎんざ)駅に直結しています。