消費期限迫る防災備蓄食活用で和歌山大学とJEFOが協定
2021年05月07日 19時11分
自治体や企業などが備蓄し、消費期限が近づいている乾パンや缶詰といった食料を、学食の食材や、SDGs(エスディージーズ)の教育に活用しようと、和歌山大学とJEFO(ジェフォー)日本非常食推進機構が、きょう(7日)連携協定を結びました。
これは、自治体や企業などが防災備蓄用として保有する乾パンや缶詰、アルファ化米といった食料のうち、消費期限が迫っているものを、JEFOを通じて和歌山大学に必要な分を配布するもので、和歌山大学は、これらを学食の食材のほか、防災活動や持続可能性社会・SDGsの研究教材などとして活用します。JEFOでは、すでに関西大学や四日市大学と連携協定を結んでいますが、国立大学では和歌山大学が初めてとなります。
きょう午前、和歌山市栄谷(さかえだに)の和歌山大学の学長室で、和歌山大学の伊東千尋(いとう・ちひろ)学長とJEFOの古谷賢治(こたに・けんじ)代表理事が、連携協定書にサインしました。
伊東学長は「食糧難の起こっている国々を慮(おもんぱか)ったSDGsの学習に力を入れられる」とお礼を述べました。古谷代表理事は「消費期限の迫った防災備蓄食を有効な資源として活用するため、和大と連携を深めたい」とあいさつしました。
このあと、生協の学食が試作した、乾パンを使ったミネストローネや水で戻せるマッシュポテトなどが報道関係者らに披露されました。
ミネストローネを試食した伊東学長は「乾パンは、そのまま食べると硬いだけでなく、唾液を吸って口の中が乾いてしまうが、ミネストローネのトマトスープがよく馴染み、柔らかくて甘みのある味わいになる」と驚いた様子で話していて、現在、大阪府への緊急事態宣言発出で停止している学生の対面授業が再開されたら、学食の提供を本格化させたい考えを改めて示しました。