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「紀州のドン・ファン」殺害容疑で元妻逮捕

2021年04月28日 12時32分

事件・事故社会

田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた酒類販売会社の元社長、野崎幸助(のざき・こうすけ)さん当時77歳に、3年前、致死量の覚醒剤を摂取させて殺害したとして、和歌山県警察本部はきょう(4/28)、25歳の元妻を殺人と覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕しました。県警は、容疑者の認否を明らかにしていません。

逮捕された須藤容疑者(2018年6月・南紀白浜空港)

逮捕されたのは、野崎さんの妻だった須藤早貴(すどう・さき)容疑者25歳で、県警は、きょう午前5時14分、東京・品川区の自宅マンションにいた須藤容疑者を逮捕し、飛行機で南紀白浜空港へ移送した後、午前9時半頃、捜査本部のある田辺警察署に入りました。そして、午前11時から田辺警察署で県警による記者会見が開かれました。

和歌山県警の記者発表のもよう(4月28日・田辺警察署)

県警によりますと、須藤容疑者は、3年前の2018年5月24日、野崎さんの自宅で、野崎さんに、致死量の覚醒剤を口から摂取させ、急性覚醒剤中毒で死亡させた殺人と覚醒剤取締法違反の疑いがもたれています。

県警は、55歳の年齢差がある野崎さんと死亡する3ヶ月前に結婚したばかりだった須藤容疑者が、野崎さんの死亡に関与したとみて、捜査してきました。野崎さんの死亡推定時刻は、3年前の5月24日の午後9時頃で、当時、自宅には、須藤容疑者がいたとされ、防犯カメラの映像から、何者かが外部から侵入した可能性は低いとみられていました。

きょうの記者会見で、県警の保田彰(やすだ・あきら)捜査一課長は、野崎さんが死亡した日の夕食時に、須藤容疑者が野崎さんと2人だけになっていたことを明らかにした上で、「須藤容疑者が覚せい剤を入手したと考えている」と述べました。

また、保田・捜査一課長は、野崎さんには、死亡後に飼い犬の葬儀に参加する予定があったとして、「自殺を疑う事実はない」とし、野崎さんの遺体に注射の痕がなく、解剖の結果、野崎さんの胃から致死量を超える覚醒剤が検出されたため、野崎さんが口から覚せい剤を摂取させられたとしました。

一方、須藤容疑者の動機や共犯者の存在については、「今後の捜査で明らかにしていきたい」と説明しました。

また、県警はきょう、須藤容疑者の自宅マンションを家宅捜索しました。

野崎さんは、スペインの伝説上のプレーボーイになぞらえて自らを「紀州のドン・ファン」と称し、女性関係や半生を記した本を出版していました。

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