直轄警察犬・ヨハン号 未帰宅者発見の功労で表彰
2021年04月22日 19時11分
和歌山県警察本部の唯一の直轄警察犬・ヨハン号が行方不明になった高齢の男性を捜索開始から10分足らずで発見したとして警察犬担当の巡査部長とともにきょう(4/22)、表彰を受けました。
ヨハン号は、和歌山県警察本部直轄の警察犬として2018年4月に導入された現在、4歳のオスのシェパードで、これまでにも行方不明者の捜索などにあたってきました。
今回は、今月11日に、和歌山市に住む70代の男性の家族から「男性が自転車に乗って家を出たまま帰ってこない」という連絡があり、通報を受けた和歌山北警察署が直轄警察犬の出動を要請しました。男性が持っていた携帯電話の位置情報をもとに捜索が始まったのは、日没が迫る午後6時前でしたが、ヨハン号は、男性の枕カバーの臭いを頼りにわずか10分足らずで自宅から直線距離でおよそ1キロメートルの山林にいた男性を発見しました。男性にケガはなく、無事、救助されました。
和歌山北警察署は、行方不明者の早期発見の功労で、ヨハン号と、ヨハン号を担当している県警本部鑑識課の庵野勝信(いおの・まさのぶ)巡査部長42歳に対し、きょう、表彰状を贈り、ヨハン号には、ドッグフードも贈呈しました。
庵野巡査部長は、「訓練の成果が早期発見につながり喜んでいます。ヨハン号は、よく言うことを聞いてくれる頼れる相棒。発見した現場で『よくやった』と素直にほめてあげました。引き続き、訓練に励み、『出動するからには、絶対、見つけるぞ』という意気込みで、これからも取り組みます」と話していました。
和歌山北警察署の湊隆弘(みなと・たかひろ)署長は、「日没までに見つけてくれてありがとう」とねぎらいの言葉をかけていました。
県警鑑識課の西山浩己(にしやま・ひろき)課長は、「ヨハン号には、鑑識課員の1人と思って接している。今後も、犯罪捜査とともに、1人でも多くの人命救助に貢献してもらいたい」と話しました。
和歌山県警では、警察犬の審査を通過した県内の27頭を嘱託警察犬として出動を要請していますが、ヨハン号導入のきっかけとなった危険な任務の遂行や、飼い主の日程調整など、出動に際しての課題は山積しています。
県警鑑識課の西山課長は、「警察犬が現役で働けるのは10歳くらいまで。ヨハン号は、ことし5歳になるので、円滑な世代交代が行えるよう、2頭目の直轄警察犬の導入に向けて働きかけていきたい」と話していました。