【新型コロナ】変異ウイルス、若い世代でも肺炎併発
2021年04月16日 20時08分
和歌山県内では、先月(3月)中旬以降、新型コロナの変異ウイルスに感染した人が増えていて、変異ウイルスに感染すると、若い世代でも肺炎を併発する人や、酸素投与の必要になる人が多いことがわかりました。
これは、去年2月13日に県内で初めて新型コロナウイルスの感染が確認されて以降、感染者の分析を行っている和歌山県が、第四波の状況を踏まえてまとめたものです。
それによりますと、先月(3月)14日から県内で始まった第四波では、大阪をはじめとした県外への往来や交流で、感染者が急増しました。
また、感染者の急増に伴って、病床の使用率が今月14日に78・5%になるなど、高くなり、医療提供体制がひっ迫しています。
第四波では、大阪由来の感染がおよそ8割を占めていて、紀北地域での感染確認が全体の9割以上を占めています。
また、感染の機会としては、家族などと同居生活をしている場合が最も多く、次いで、会話、カラオケ、飲食と続く結果となり、県は、同居家族で共有する空間や物を介する感染予防のほか、飲食する際の感染予防にも最大の注意が必要と指摘し、屋内でのマスクの着用や換気を行うよう呼びかけています。
変異ウイルスについては、初めて確認された先月14日以降、増加していて、活動の活発な若い世代から家族や友人などに感染が拡大したとしています。
また、変異ウイルスと従来のウイルスの年代別の肺炎併発率を比較すると、変異ウイルスでは、20代、30代、40代の若い年代でも肺炎の併発率が高く、酸素投与が必要な感染者も多いことがわかりました。さらに同居家族では、変異ウイルスの方が感染しやすいと推察されるとしています。
県福祉保健部の野尻孝子(のじり・たかこ)技監は、「いまは最大の危機が訪れていて、この危機を乗り切るには、県民に対する一定の行動制限はやむを得ない状況で、マスクの着用や手洗い、密を避ける、換気といった個人の感染予防対策を徹底していただきたい。また、医療や介護に従事する人には、この時期に集団感染を起こすと、命が守れないことを十分、認識していただき、1人から多数に感染し重症化するという構図を断ち切ることが重要」と強調しました。