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県立博物館で企画展「きのくにの物語絵」はじまる(写真付)

2021年03月13日 18時53分

教育歴史・文化社会

江戸時代から現代までのさまざまな「物語絵(ものがたりえ)」や和歌山の「絵解き(えとき)文化」などを紹介する企画展が、きょう(13日)から、和歌山市の和歌山県立博物館で始まりました。

物語絵は、物語を絵巻物にしたり、物語の一場面を掛け軸や屏風などに描いたものです。その中でも、寺社の縁起を題材とするものは「縁起絵」ともよばれ、信仰が生み出したものとして、数多くの資料が伝わっています。

高野山や熊野三山を始めとする宗教的聖地が点在する和歌山では、僧や尼が布教するために、縁起絵や物語絵の内容を説法する「絵解き」が盛んに行われ、現在まで引き継がれているということです。

会場には、信仰に関わる資料を中心とした物語絵が24点展示され、そのうち、重要文化財でもある中国禅宗(ぜんしゅう)第五(だいご)()()(にん)の前世を描いた「五祖栽(ごそさい)松図(しょうず)」をはじめ、県指定文化財が2点、市町村指定文化財が1点、初公開される展示物が2点含まれています。

長沢蘆雪(ながさわ・ろせつ)が描いた傑作「五祖栽松図(ごそさいしょうず)」(重要文化財)

県立博物館の大河内智之(おおこうちともゆき)主任学芸員は、「物語の内容を絵にして楽しむ文化や、物語絵を布教のための道具として使う文化があったということを知ってもらいたい」と話していました。

企画展「きのくにの物語絵―絵解きの聖地・和歌山―」は来月(4月)18日まで、和歌山市の県立博物館で行われています。

そのほか、県立博物館では、目の不自由な人にも楽しんでもらえるようにと、「さわって読む図録」が展示されています。これは、点字による解説文や図に凹凸をつけることで、文章を読みながら絵の内容を触って理解してもらうもので、11年前から行っているということです。

和歌山県立盲学校と連携して作成している「さわって読む図録」

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