近大生物理工で防災訓練 学生消防団が放水、県警ヘリも参加

2021年03月10日 18時47分

災害・防災

東日本大震災の発生からあす3月11日でちょうど10年となるのを前に、紀の川市にある近畿大学生物理工学部できょう(3/10)、直下型の地震を想定した訓練が行われ、学生でつくる消防団が放水して日頃の成果を披露しました。

学生消防団による放水訓練

訓練はきょう、紀の川市西三谷の近畿大学生物理工学部のキャンパスで行われ、午前10時に直下型地震が発生し震度6強の揺れが観測されたという想定の訓練には、大学の職員らおよそ100人が参加しました。

始まりはシェイクアウト訓練

訓練では、職員らが屋外へ避難し、駐車場に災害対策現地本部が設置された後、学内の消防団に所属する10人のうち8人の大学生が放水を行い、日頃の成果を披露していました。

建物内に残された人を救助するためチェーンソーで救出口を作る

また、この訓練には、和歌山県警からも警察官およそ40人と警察犬1頭が参加し、壊れた建物からの救出訓練や、助け出された人を、空中で静止したヘリコプターからワイヤーで降下した救助隊員が救助する訓練なども行われました。

訓練には警察犬も
ヘリコプターが要救助者を搬送

紀の川市を含む県北部には、中央構造線の断層帯が走っていて、訓練の後、講評した岩出警察署の植松勝己(うえまつ・かつみ)署長は、「あすで、大きな被害を出した東日本大震災から10年となりますが、この付近には、中央構造線断層帯の一部が通っていて、直下型地震が起きれば、これもまた甚大な被害が予想されます。きょうの訓練を通して、改めなければならない点について討議を重ね、災害に備えていただきたい」と述べました。

講評する植松署長

また、近大生物理工学部の梶山慎一郎(かじやま・しんいちろう)学部長は、挨拶の中で、熊本地震を経験した熊本学園大学の震災リポートを引用し、「備えに100%ということはなく、日頃から、どれだけ震災が起きた時の行動をイメージできるかが重要と指摘されています。今後もなるべく多くの学生の参加を促し、訓練を開催していきたい」と述べました。

挨拶する梶本学部長

学生消防団のリーダーを務める近畿大学大学院生物理工学研究科1年の阪東賢(ばんどう・さとし)さん22歳は、「今回は、プロの作業を間近で見ることができ、勉強になったし、放水訓練は、狙い通りできました。先日の震度4の地震では、大学も揺れて、災害がいつ起きるかわからないことを再認識しました。レスキュー隊が現場に到着するまでの間、周囲の安全確保などの作業を担えるよう、これからも訓練で高めていきたい」と話していました。

ヘリコプターの前で学生消防団が記念撮影

近畿大学生物理工学部では、東日本大震災の発生した3月11日にあわせて去年から大規模な防災訓練を実施しています。

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