コロナ後の外国人観光客向け世界遺産周辺の交通環境整備を協議

2021年03月03日 17時05分

経済

コロナ禍の収束後、世界遺産の高野・熊野(こうや・くまの)に外国人観光客が再び戻ってくることを見据えて、鉄道・バス事業者や行政、有識者らが、便利で安心して公共交通で移動できる環境づくりについて話し合う協議会の部会が、きょう(3日)午後、田辺市東陽(とうよう)の文化交流センター「たなべる」で開かれました。    

きょうの協議会のもよう(3月3日・田辺市東陽「たなべる」)
和大経済学部の辻本教授(左)と観光学部の北村教授(右)

今年度(2020年度)設立された紀伊半島外国人観光客受入(うけいれ)推進協議会では、和歌山大学経済学部の辻本勝久(つじもと・かつひさ)教授や観光学部の北村元成(きたむら・もとなり)教授をはじめ、高野・熊野地域をエリアとするJRとバス会社や、近畿運輸局、和歌山県、三重県、それに、一般社団法人の田辺市熊野ツーリズムビューローと、東紀州地域振興公社が会員となり、外国人観光客の利便性が高い公共交通環境の整備のあり方などを話し合っています。今年度(2020年度)2回目となるきょうの部会では、今年度の取組みの結果や、来年度(2021年度)の事業計画が議題となりました。
 
高野・熊野地域の路線バスは、事業者ごとに路線図や運行系統、観光施設、多言語化などの表示がバラバラで、とくに外国人観光客が求める、バス停や駅などから様々な観光施設や古道歩きポイントなどへの二次交通アクセスの利便性向上が課題となっています。

新宮駅舎に追加された駅名のローマ字表記
世界遺産熊野本宮館に設置されたデジタルサイネージによる路線バス案内

これまでに、新宮駅(しんぐうえき)の駅舎にローマ字表記を加えたり、世界遺産熊野本宮館(くまのほんぐうかん)にデジタルサイネージによる英語を併記した共通の路線バス情報の表示、それに、路線図マップの作成や、QRコードによるバスの待ち時間検索の準備などを行っています。

協議会では、新年度(2021年度)となる4月以降は、新宮駅前や高野山(こうやさん)駅前のバス停などに目的地別にわかりやすく表示した表示版の設置や、SNSなどを活用した高野熊野聖地巡礼バスの発信、熊野本宮温泉郷(くまのほんぐうおんせんきょう)の周遊バスを運行する実証実験などに取組むとしています。

きょうの部会では、会員から「”間もなく発車します”という表示は、具体的に残り何分後なのかを示す必要がある」「実証実験中という表示も、外国人にとってはわかりにくいので適切な表示が必要」といった意見が出されました。

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