旧制和中図書館と運動場スタンドの文化財登録報告式

2021年03月01日 19時17分

教育歴史・文化

和歌山市にある県立桐蔭(とういん)高校の前身の旧制和歌山中学時代に建てられた旧図書館と、運動場スタンドが、先月(2月)国の有形文化財に登録されたことが、きょう(3月1日)学校に伝達されました。

国登録文化財の認定証を伝達される桐蔭高校の木皮校長(右)(3月1日・和歌山市吹上・県立桐蔭高校)
旧制中学図書館の説明板の除幕を行う森下同窓会長

旧図書館は、1929年に旧制和歌山中学の開校50周年を記念して保護者らの寄付金で建設された、鉄筋コンクリート平屋建ての近代建築物です。1978年に同窓会館として改修されたあとも、旧制和歌山中学時代の校章が建物に残され、当時の雰囲気を伝えています。

運動場スタンドの説明板を除幕した保井PTA会長

また、運動場スタンドは、1922年に全国中等学校優勝野球大会で和中野球部が2連覇した直後に、県や和歌山市、有志からの寄付で建設され、コンクリート製の観客席を持ち、皇太子時代の昭和天皇がここで初めて野球を観戦したことでも知られています。

これら2件が、去年(2020年)7月に開かれた国の文化審議会で文化財登録を答申され、先月(2月)正式に登録が決まりました。

きょう昼前、旧図書館と運動場前に設置された説明板の除幕が行われ、旧図書館では森下正紀(もりした・まさき)同窓会会長が、運動場前では保井伸介(やすい・しんすけ)PTA会長が、それぞれ除幕しました。

野村吉三郎の寄贈した「ウエブスター英英大辞典」を手に石碑を紹介する元桐蔭高校校長で大体大の岸田教授

また、これとは別に、和中を卒業後、外務大臣や海軍大将などを歴任し、戦時中、母校へ講演に訪れ、当時敵性語だった英語教育の必要性を生徒に訴え、学校に「ウエブスター英英大辞典」を寄贈した野村吉三郎(のむら・きちさぶろう)の石碑の説明板の除幕もあわせて行われました。

桐蔭高校の木皮享(きがわ・すすむ)校長は「在校生には後援会を通じて文化財の価値を伝えると共に、地域の皆さんと活用方法について話し合っていきたい」とあいさつしました。

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