特殊詐欺被害防止に専用電話 3月1日開設・近畿初
2021年02月25日 19時12分
後を絶たない特殊詐欺を防止するため、和歌山県警察本部は、来月(3月)1日から専用のフリーダイヤルを開設します。特殊詐欺に特化した専用電話の開設は、近畿では初めてで、県警は、「お金を他人に渡す前に気軽に電話してほしい」と呼びかけています。
去年、県内で発生した特殊詐欺の被害は、件数が32件で前の年に比べておよそ3割減った一方、被害額は1億5700万円余りでおととしの2倍に増えています。
手口としては、架空料金請求詐欺が件数、被害額ともに最も多く、被害額は、全体の9割を占めています。このほか、被害者からキャッシュカードをだましとるキャッシュカード詐欺盗や、預貯金詐欺が多くを占めています。
また、去年、被害に遭った32人のうち、65歳以上の高齢者が25人と全体のおよそ8割を占めていますが、なかには、30代や19歳以下の年代でも、架空料金を請求され詐欺に遭うケースが確認されています。
こうした中、県警は、「特殊詐欺の電話に疑いを持たずに対応し、被害に遭っている人が多い」として、お金やキャッシュカードを他人に渡すことになった場合、本当に渡しても大丈夫かどうか、県民が気軽に確認できる電話の窓口を新設することにしたものです。
この専用電話は、24時間対応可能のフリーダイヤルで、来月(3月)1日から運用が始まり、昼間は特殊詐欺被害防止アドバイザーが、夜間や休日は、総合当直の警察官が対応します。
この運用開始を前に、県警では、特殊詐欺被害防止アドバイザーが、広報用として、仮想の電話対応の様子を公開しました。
特殊詐欺に特化した専用電話の開設は、千葉や長野、熊本などに続いて7県目で、近畿では初めての取り組みとなります。
県警察本部・生活安全企画課・課長補佐の岡山貴美憲(おかやま・きみのり)さんは、「これまでは、県警の相談電話「♯9110」に連絡してもらえるよう呼びかけていましたが、今回は専用のダイヤルを設置し、『相談』ではなく、『確認』の電話なので、もし、お金やキャッシュカードを他人に渡すようなことになったら、渡す前に、気軽に電話をかけてほしい」と呼びかけています。
特殊詐欺被害防止専用フリーダイヤル「その話 ホンマに大丈夫?かけて損なし」「ちょっと確認電話」の番号は、0120・508(これは)・878(わなや)です。
県警は、来月(3月)1日の電話開設にあわせて啓発用のチラシとシール、それぞれ5万枚を作成していて、高齢者宅を巡回したりする中で、配布することにしています。