御坊市で創業46年の精肉店・高齢化で閉店へ

2021年02月25日 19時03分

経済

御坊市(ごぼうし)で46年にわたって市民や飲食店などに良い品質の食肉を販売してきた精肉店が、店主夫妻の高齢化や後継者不足を理由に、今月(2月)いっぱいで閉店することになりました。

今月いっぱいで閉店する「たからや精肉店」の大串鋭二さん(右)と征子さん(左)夫妻(2月25日・御坊市湯川町財部)

閉店するのは、御坊市湯川町財部(ゆかわちょう・たから)の「たからや精肉店」です。この精肉店は、46年前の1975年に創業し、店主の大串鋭二(おおぐし・えいじ)さん86歳と妻の征子(いくこ)さん76歳が小売りをはじめ、飲食店や保育園、病院などへの卸売りを二人三脚で手掛けてきました。

機械で牛肉をスライスする大串鋭二さん

途中、鋭二さんの病気で営業が困難になる時もありましたが、長男で紀州鉄道に勤務する昌広(まさひろ)さん55歳ら家族が手伝うことで乗り越えてきました。しかし、高齢の鋭治さんの体調維持が更に難しくなり、仕入れや、肉の運搬、配達作業などが肉体的な限界を迎えていたことや、大手スーパーの台頭で経営が厳しくなったことから、ことし(2021年)に入って、昌広さんの提案で、今月いっぱいでの閉店を決めたものです。

妻の征子さん(手前)と二人三脚で店を切り盛りしてきた

鋭二さんは「長男は鉄道が大好きで紀州鉄道に入り、同時に精肉店も本当によく手伝ってくれました。良い品質の肉を地元の消費者や業者に提供することで信用を頂き、ここまで営業することが出来ました。お客さんには惜しむ声を多く頂きますが、最後まで感謝の気持ちを込めて営業します」と話しています。

「将来たからやの復活を目指したい」と話す大串昌広さん(2月25日・御坊市薗)

紀州鉄道の運転士でもある息子の昌広さんは「身体がきついのによくやってくれたと尊敬しています。両親だからお客の信頼を得られたと思うので、私や他人では事業承継は容易に出来ないと判断し、いったん閉店することを進言しました。私もあと数年で定年退職を迎え運転士を引退するので、その時は、手伝った時のノウハウを活かしながら、コロッケや惣菜の販売などでたからや精肉の名前を復活させたいです」と話しています。

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