写真集「水辺の人」出版記念 松原時夫写真展28日まで

2021年02月20日 18時49分

歴史・文化社会

60年前の和歌浦の海辺を写した写真の展示会が、和歌山市十一番丁の「ギャラリーT.E.N」で開かれています。

これは、和歌山市和歌浦在住の写真家、松原時夫(まつばら・ときお)さん81歳が、地元の和歌浦や田ノ浦、雑賀崎の海辺で働く人や風景を撮影した写真集「水辺の人」を出版したのにあわせて開いているものです。

出版された写真集「水辺の人」

松原さんは、11歳でカメラを手にして以来、生まれ育った和歌浦などの海辺の風景やそこに暮らす人たちを撮り続けていて、28歳のとき、和歌浦で写真店の経営をスタートさせ、プロの写真家となりました。

写真集に収められているのは、松原さんが15歳の頃にあたる1955年から、29歳の1969年までの間に撮影したおよそ100枚の写真で、松原さんにとって、写真家としての原点といえる作品です。

現在、開かれている写真展には、和歌浦の不老橋をバックに、水面に浮かべた木船でノリの養殖作業を行う人たちの写真など、いまでは見られない和歌浦の風景を切り取った作品19点が展示されています。

会場となっている和歌山市十一番丁の「ギャラリーTE.N(テン)」では、訪れた人たちが、松原さんと写真談義をかわしながら60年以上前の港町に思いを馳せていました。

松原さんは、「いまはもう見られない風景なので、来場される皆さんは、高齢の方が懐かしいと話す一方、若い人は初めて見たと言い、感想がまったく違います。もともと世の中に一冊だけの写真集を自分でまとめようと思っていたので、出版の運びとなり、ありがたい」と話しています。

来場者と会話する松原さん(左)

松原さんの写真展は、今月28日まで和歌山市十一番丁の「ギャラリーT.E.N」で開かれています。

また、写真集「水辺の人」は、紀伊半島を拠点にする出版レーベル「道音舎(みちおとしゃ)」から限定300部が発行されていて、1部、税込み1万1千円です。和歌山市和歌浦中の松木書店や、「ギャラリーT.E.N」などで販売されています。

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